林良一ブログ RYO'S METHOD

テクニカル系船釣りの技術論(METHOD)や精神論をメインに、ちょこっと料理のことなども!

掘って楽しく、食べて美味しいホンビノスガイ。
「白ハマグリ」などと銘打って、近所のスーパーにも並んでおります。

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外来種であるこの二枚貝、北米などから渡航する大型タンカーなどのバラスト水(船体の安定を保つ為に船倉に入れる水)に紛れて日本にやって来たようです。

僕が獲ったのは東京湾奥部。故郷の生息域に環境が似ているのでしょうか、引き潮の短時間でかなりの量を獲ることができました。

最初は酒蒸しで堪能。やや固めではあるものの濃厚な貝特有のうま味に杯を重ねました。

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原産地ではこのホンビノス貝、クラムチャウダーの主役とのことで、やはり郷に従った料理を作ってみたのでした。

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100%自己満足の感想は・・・

「この貝は、この料理の為にあるんだ」

でした。


火を通すと固くなり勝ちになる為、その歯ごたえを生かしてエスカルゴ風に!

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これは去年、東京湾の釣りタコでも作ってみましたが、自己評価は大満足!


そして今日は、そのうま味をもっと堪能すべく、先週掘って冷凍してあるホンビノスを解凍、大鍋にてクラムチャウダーを仕込んでみました。

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「前日のカレーは美味しい」にもれず、明日以降味が馴染んで美味しくなる料理ですが、気付いたことが1つ!

作りながら味見をしてみると・・・
「味が薄い? うま味が薄い??」と言う感じがあり、決して美味しくないわけではではないのですが、掘ったその日に仕込んだクラムチャウダーとは違っているのです・・・??

きっと、貝を解凍するときに水を張ったボウルに入れたのですが、貝のうま味、塩気が浸透圧などにより、その水に溶け逃げてしまうように感じました。


今日仕込んだクラムチャウダーは、もちろん美味しくいただきますが、次回は掘りたてのそれで更なる・・・・


また掘りに行かなくっちゃ(笑)


大分前にはなりますが空手道場に通っていた頃、そこにニコラス・ぺタスというデンマーク出身の有段者が、当時まだK-1デビュー前のフランシスコ・フィリョなどと共に稽古を付けに来てくれました。
鍛え上げられた体躯から繰り出される突きや蹴り。当時僕らを指導してくれた黒帯の先輩方々が手も足も出ない、それはもう目を見張る強さでした。

そんなニコラス・ぺタスの著書を読んでいるのですが、彼が説く空手道は釣り(道)に通ずるところがありご紹介したいと思います。

彼の「最高の武道とは何か」という著書の中で、空手以外の様々な武道を体験する場面が出てきます。
柔道と対峙したときは、当時105キロの体重があったぺタスが、48キロの女子選手とガチンコ勝負、投げ飛ばされてしまうのです。
なぜこれほどの体格差を跳ね返すことができるのか?
その問いに彼女は・・・
「タイミングと崩しがいいと、どんな大きい相手でも投げることができます。力で投げようとは思っていないですね」と説いています。

また本書の中には・・・
柔道の投げ技は「崩し」「作り」「掛け」の三段階があり、相手のバランスを崩し、投げる態勢を作り、そのうえで技を掛ける。
ともあります。


たとえばカワハギ釣りではどうでしょうか?

直接の相手であるカワハギに、ハリが仕込んであるエサで誘いをかけて、魚の平常な状態を「崩し」、エサを食べようとする一種興奮状態を作り出す。
次に、エサを狙ってくるカワハギを焦らし、エサが食べられない状況を「作り」出す。このとき釣り人も、次の最も大切な「掛ける」への心構えを同時に「作る」。
そして、焦らされて、もっとも崩れた状態ともいえるカワハギに隙を見せ「掛ける」。すなわち、口の中に入ったハリの挙動を感じ取りアワセを入れる。
となるのではないでしょうか。


「最強の釣り方とは何か」ではないですが、つい釣りのことを考え本を読んでしまう自分がいます。


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数年の間不振な釣果を続けていたアナゴが今年好調です!

江戸前の夜アナゴ釣りでは、寸分違わぬ長さ、重さの短い2本竿を両手に持ち、「小突き」と呼ばれる誘いを左右の竿で繰り返す=仕掛け(オモリ)が海底に着いたり離れたりを繰り返します。

アナゴは夜行性で小さな目を持っていますが、主に潮下からエサのニオイを嗅覚でかぎ分け仕掛けに近づいてきて、そこで小突きによって動いているエサを発見、摂餌に移ると考えられます。
船長が獲物をさばいて持たせてくれるアナゴ釣り、その包丁さばきを見ていると、胃袋から小さなメゴチが出てくることがあります。そのメゴチが海底でピョンと移動する様は、どこか小突きで動く仕掛けに似ているのかも知れません。

僕のアナゴの小突きは
ゼロテンション⇒1cm位そっとオモリを切り「聞く」⇒ラインが緩まぬようそっとオモリを置く
といったもので、その「聞く」ときに重さの違い=変化=アナゴが仕掛けの傍にいる、又はアナゴがイソメの端っこを咥えた「前アタリを捉えることに集中した小突き」で、決してドンドンとオモリで底を叩くのではなく、聞き上げとゼロテンテンションとを繰り返しながら、聞き上げで変化を探すことと言い替えることができます。
また、以前の船最前線ブログ記事にゼロテンションと小突きの共通点があります。ご参考になればです。


そんなアナゴ釣りの仕掛けで僕は、段付きの2本バリを自作しています。

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親子サルカンの上部の穴にスナップの小さい方の輪を一旦外し再度接続し、ハリスには編付けが解れにくいコイ釣りの吸い込み糸を、短い夜光パイプにはマルセイゴ、長い方にはカレイバリを使っています。
親子サルカンは、一荷でアナゴが掛かった場合、それぞれがローリングしながら2本一緒にログルグルと回ってもハリスがねじ切られない工夫なのです。
一見短いパイプも、後記する誘導式のマルオモリの糸も含めての長さとなるので、そう短いということはなく、パイプが通っていても、ことアナゴ釣りに関しては食いに影響することもなく、逆に掛けたアナゴの手前マツリを防ぐことに重きを置いた仕掛けとなっています。

仕掛けの上部には、誘導式のマルオモリを取り付け、その上には点滅ライトを取り付けています。

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もう10年位前になりますが、ケミホタルで釣っていた時代に点滅ライトが登場、どう頑張っても点滅ライトの釣果に適わなかった時がありました。

この他アナゴ釣りでは、ハリ外し、エサ箱をセットした自作の「アナゴバケツ」を持参、この仕掛けを使い良い年には、開幕から20回釣行時の平均が42.19本、シーズン合計2000本ものアナゴを釣り上げたこともありました。



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