林良一ブログ RYO'S METHOD

テクニカル系船釣りの技術論(METHOD)や精神論をメインに、ちょこっと料理のことなども!

夏タチウオ釣りの〔タックル編〕〔実釣偏〕を先にリリースいたしましたが、「これを知っておくと便利!」的なモノなどのご紹介をいたします。


タチウオは鋭い歯を持っていることは周知の通りで、エサ釣りでもルアーでも、船上に抜き上げるとくねりながら暴れるタチウオのハリ外しに躊躇してしまう時があるのではないでしょうか?

そんな時は、エサ釣りならハリから20~30cmのハリスを、ルアーでもそれに準じた辺りを掴んでタチウオをぶら下げ、もう一方の手に持った鈎状の小型ギャフをハリのフトコロへ掛け、ハリスを持った手をハリが外れる方向へ、ハリを中心に半回転させれば、タチウオに手を触れずしてバケツの中に落ちます。

150707_102026



でも、元気なタチウオはバケツの中に入っても、その長さを生かして飛び出してしまうこともあり、特に夏期は短パンにサンダルなど、足を露出してのスタイルも多く、その鋭い歯で噛まれたりしないよう注意が必要です。

バケツからタチウオが飛び出してしまった時は、前記のギャフをタチウオに刺して拾い上げバケツに戻す方法もありますが、フィッシュグリップで掴む方法が手軽で安全でもあります。

150707_102048



フィッシュグリップは、タチウオのエラから差し込み写真撮影時にも便利です。

150707_102704




また、船の移動中などに揺れに注意しながら、キッチンバサミを使ってバケツの中でタチウオの頭を落し、細い尻尾も落とし、肛門からハサミの先を入れ開き内蔵を取り除き、概ね2つに切ってビニール袋に入れてクーラーへ仕舞います。

こうすると帰宅後が楽で、クーラーの水に直接触れないまま冷蔵されているタチウオを小分けしてそのまま冷蔵、冷凍することができます。
また、高温期は、生ゴミとなる魚のアラが臭いを発してしまうことがありますが、船上で処理をしておけばその問題は皆無です。


美味しいタチウオ、夏場の小型は干物にしてもオツで、ある船長さんは「細い身だから三つ編みにして天ぷらにしてみな、ウマイよ~~!」ともおっしゃられていました。
個人的には塩焼きがタチウオの持ち味を生かすかなとも思いますが、釣り人の特権である、釣ったその日の刺身も絶品、何にしても美味しいタチウオです。

140727_175453




さて、前回の夏タチウオ釣りのキモは!?〔タックル編〕より続きます。


ポイント付近で船がスローになり、魚探やソナーでタチウオの群れを探し始めたら、いつでも仕掛けを投入できるように用意、ハリ付けしたエサ、仕掛けの絡みなどを再度確認します。

エサは船宿さんに用意してあるサバの切り身などですが、サバの背中側は皮がめくれやすいので、腹側の、身と皮の間からハリ先を刺し、そのまま1cmほど皮に沿って刺し通すか、細かな縫い刺しにして皮側へハリ先を出し、ハリを刺し入れた部分はチモトまで上げてケンで止まるようにします。
次に、エサが真直ぐになるよう、エサの真ん中にハリ先を刺せばエサ付け完成です。

150619_085026


今年はDAIWAより新たなタチウオ仕掛けが発売されるとのことで、宮澤さんの個人ブログにもタチウオに本気!というタイトルでアップされています!


予め船長に聞いておいた(PEの号数に対する)オモリ号数をテンビンにセットしておき、投入の合図があったら仕掛けを投入、水面下でテンビンから真直ぐにハリスが伸びていることを確認し仕掛けを沈めます。

船長より「20~40m」などの指示ダナがアナウンスされますので、この場合は概ね40mまで仕掛けを沈め、ハリスが張るまで一呼吸置きシャクリに入ります。
※船長の指示ダナより下げてしまうと、エサを追ってタチウオの反応自体も下がってしまうことがあるのでNGです!

タチウオ釣りの基本は、エサでもジグなどでも、竿を1シャクリ=仕掛けを鋭く早く動かす した後に、そのシャクッた分のリールを1回転巻くを基本に、アタリが遠い≒活性が低い 時は、同じ1シャクリでもシャクリ幅を小さく、リールの巻きも1/2や1/3回転、それ以下にするなど、1シャクリで大きな仕掛けの移動をさせず、小刻みな移動を繰り返し、タチウオにエサを見せるタイミングを多く作りながら動かすことがアタリに、ヒットに繋がります。

またアタリが多い≒高活性 の時は、シャクリを早く、リールも素早く巻き、エサやルアーを定点で止る時間を短くします。
特にエサ釣りの場合は、食い気旺盛なタチウオにハリを飲み込まれ気味になり、鋭い歯のタチウオのこと、ヒット⇒ハリス切れの可能性が高まることもあります。
ハリス切れを防ぐには、ハリのサイズを大きくすることも効果があります。

タチウオは下から追ってきて、シャクリとシャクリの一瞬エサが止まった時を見計らいエサを襲ってきます。
ですから、指示ダナよりも若干上までエサを追い掛けてくることも珍しくなく、指示ダナよりも10m位までは上まで探るように心掛けます。


「ドスン」とロッドを止めるようなアタリはタチウオの口にハリが掛かっている証拠で、追いアワセとして、リールを巻きこんでの巻きアワセを入れリーリングに入ります。

140803_103912


アタリがあっても掛からないときは、シャクリとシャクリのポーズを長めに取ったり、そのときハリスに弛みを持たせるようにシャクッたりして、タチウがエサを食べ安いように間を与えると良い時があります。
また、エサの端だけ咥えたアタリでアワセてしまった場合、竿が曲がり切った辺りでスッと元に戻ったりします。こんな時は竿先を下に向けてその場でシェイクし、噛み付かれて瀕死状態のベイトを演出し次のアタリを誘います。
※ただしジグなどの場合は、シャクッた後にラインに弛みを持たせるようなシャクリにすると、タチウオがジグをバイトする寸前にジグが下がってしまうことになり、ジグの直上のリーダーにバイトしてしまうことを誘発し、その挙動をアタリと思い釣り師自らがアワセを入れることでリーダーを引き切ってしまうことがあります。

アワセた後はトルクフルな引きを楽しみながら、抵抗が弱まったところを見計らって巻き上げてくると、水面下には波間に滲む日本刀、そう、その名のごとく艶やかな太刀に、ついため息が漏れてしまうものです。

130721_085924-thumb-350x466



タックルもライトで、お子さんでも手軽に楽しめる夏タチウオ、是非挑戦してみてはいかがでしょうか?!

140727_132827



【夏タチウオ釣り教室のご案内】

神奈川県鴨居の一郎丸さんにて、夏タチウオ釣り教室を開催いたします。

タチウオ釣りが初めての方には、タチウオ釣りの面白さとその食味を。中級者の方は更なるスキルアップを目指していただければと思います。

ご予約は一郎丸さん ℡:046-841-9236 にお願いいたします。


facebook内のイベントはこちら 【夏タチウオ釣り教室 at 一郎丸さん】



予てから釣りの大先輩である「コウさん」こと河口さんより、「僕の所属しているJOFI(一般社団法人 全日本釣り団体協議会)神奈川沖釣り部会の例会の時、皆の前でりょうさんの近代カワハギ釣法の講演会をしていただけないか」というご依頼をいただいていていました。

150613_162405



講演会は7月5日(日)、その時に使うタックル類を船バックに詰め込み、ロッドも持って電車で会場のある横浜駅に向いました。

11692637_842232599201750_4636162461959306031_n



コウさんと待ち合わせ会場に到着すると、静かな雰囲気の中会議の真っ最中で、皆さん真剣な面持ちです。

議長の方の「何かご質問は?」との問いかけに、フィシングショーでのJOFIのことや、近年のマグロの動向のことなど、白熱したお話しが続いていて、不肖講演者は「真剣なやりとりの場所に来てしまった・・・。この後は休憩を挟んで僕のカワハギ講演・・・、大丈夫だろうか??」と、表情には出さずとも、自分で用意したレジメに目を通し、やがて来る時を待っていたのでした。


会議も終わり休憩を挟んだ10分後の講演に備えて、ロッド、リール、仕掛け、NASAと共同開発(冗談です)したハリやハリス止めを用意していると・・・

「この竿、俺も持ってるよ~、ボトムでしょ! いつもカワハギ釣りには3セットのタックルを用意して船に乗るんですよ」とは、先程の質問時に熱いお話しをしていた菅原さん。
ちょっとしたカワハギ談義に花が咲き、そこに日吉さんも加わり、お知り合いの釣 聖さんから仕掛けをご説明するときのヒモなどをいただき、和気あい合いな雰囲気のまま「さて、時間となりました」との合図で、コウさんが僕の事を皆さんに紹介、「近代カワハギ釣法」の講演会スタートです!

講演時間は1時間30分と、釣り教室で出船前に行うレクチャーの3倍の時間です!

そして、何と言っても釣りのインストラクター資格をお持ちの方々の前での講演のこと、ダイワのポロシャツの襟を正し(立て?)、真剣な面持ちで話し始めたのでした。


講演に先立ちコウさんとお会いしての打ち合わせの時に、僕が考えた講演内用の骨子をコウさんに編集していただき、ご参加の皆さまに配っていただきました。

150706_100339


まず初めはカワハギ釣りの歴史から、ロッドやラインの変遷、ハリの細分化、釣り方の進化などを述べさせていただきました。

006


そこからは各論となり「カワハギ竿はなぜ先調子なのか? 近代カワハギ釣法ではこのような竿を使い、ゼロテンションではこういったパーミング(握り方)で」などをお話しさせていただいたり・・・

007


独自のフックビーズを4個使った、ウイークポイントを持たせた仕掛けの解説、オモリの捨て糸部分は小さく見にくいので、数個持参し皆さんに回してご覧いただいたり・・・

005


竿も皆さんに手に取っていただくと、「軽いね~、スゴイ!」など、微笑み混じりで次の方に竿を渡されていました。

リールもスマック機構であるとか、TWSを実際に手に取ってご覧いただき、12ブレイドに代表されるPEラインの進化のお話しや、フックやスピードなどタイプの違うハリの使い分け、ハリスの長さと太さ、宮澤さんの5ステージ理論に代表される釣り方のご説明、「なぜエサはアサリなのか?」といったお話しをさせていただきました。


最後は僕の近代カワハギ釣法を述べさせていただき、「エサを盗られなければその先がない」、「カワハギを自分の間合いに入れて掛ける」など、僕なりのカワハギとの対峙の仕方で講演を終えさせていただき、最後に質疑応答の時間を取らせていただき終了となりました。


「それでは皆さん、会場を移して懇親会にいたしましょう」との合図でタックル類を仕舞い、先の菅原さん、日吉さん、コウさん、皆さんと共に、25階建てのビルの最上階にある高級居酒屋さんへ移動しての懇親会です!

009

150705_142112



ここではお酒も入り皆さんも僕も次第に饒舌に、深い釣り談義はもちろん、先輩釣り師方々の釣りに対する姿勢や考え方をお聞きする貴重なひと時となりました。

こちらは2時間程だったでしたでしょうか、有志で2次会に突入です!

014

そして3次会へ・・・

150705_181438


150705_211338


楽しい時間はあっという間で、講演開始が午前11時過ぎでしたが、時は既に午後11時近くになっていました・・・(笑)


150705_224329



今回はこのような機会を与えたいただいたコウさん、JOFI神奈川沖釣り部会の皆さん、たいへん素晴らしい経験をさせていただきました。

ありがとうございました。

今度は船上で、または飲み会も! これからもよろしくお願いいたします。




↑このページのトップヘ