「あの釣り師の竿がいいんじゃないか?」、「あの釣り師の仕掛け、釣り方がいいんだよ!」など、トップアングラーのタックルやスキルは注目の的となり、彼の方と同じものを揃え、それを毎晩愛でながら傾ける杯も一興、いざ船上で、ニュー・タックルの初めての一振りは格別なものです。


もう大分前になりますが、カワハギ釣りで、隣り合った方が、ややオーバーアクション気味で釣りをしていることに気がつきました。

その方のタタキや聞き上げなど、それは当時の、画面で拝見していた大塚さんのカワハギ釣りを模したものとすぐに分かりました。

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しかしその方、カワハギが釣れないのです・・・

それは何故なのでしょう・・・


僕は釣り教室の時、ご参加いただいている皆さまにお伝えする事の1つとして、「同じ釣り師はいない」ということがあります。

これは、車の運転に例えるなら、2人として同じタイミングでブレーキをかけず、同じタイミングでウインカーを出さず、キープレフトの幅もそれぞれ様々という意味合なのです。

ですから、トップアングラー釣りを模しても、全く同じ釣り(例えば水中の仕掛けの状態等)になっているかと言うと疑問があり、そのアングラーの「少し誘い下げる」の「少し」とは、1秒間にどの位の長さなのかなど、細かく具体的な要素の集合体で成り立っていると思うのです。


また釣りは、「自己流の極み」という考え方もあり、カワハギ釣りでは、10人釣り師がいれば皆それぞれのスタイルがあり、技術的に重なる部分もありはするものの、自分の得意な部分は他に突出して抜きん出ていると言えると思います。


もともと特別なオンリーワン=同じ釣り師はいない という考え方で、見習うべき師がいるのであれば、「自分に置き換えるどのような釣りをすれば良いのか」に主眼を置き、決して模倣する延長線に捉われくことなく、基本を逸脱しないよう、常に魚目線でご自分の釣りを構築することが大切ではないでしょうか。

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