今では滅多に見なくなりましたが、マゴチ釣りでは以前、船に何人か、手バネ竿で粋に釣っている釣り人をお見受けしたものでした。

そんな僕も、手バネ竿でマゴチを楽しんだ時期があり、オレンジ色をしたナイロンラーヂを道糸に、アワセの時にナイロンの伸びを感じながら、絞め込むように道糸を手繰ったものでした。


その後湾フグ釣りに傾注して行き、繊細な穂先のその手バネ竿を改造、ガイドを取り去り穂先を削り、糸巻きを取り去りリールシートを取り付けました。

その竿はフグのアタリを克明に出し、好釣果を上げて行ったのもこの頃からでした。


その竿を携え毎週のように湾フグ釣りの船に乗っていたのですが、自分の釣りに合う絶妙なその竿のこと、リールも新調するかと、その日は新品のリールを取り付け乗船、ポイントではフグの反応が浮き気味とのことで、カットウ仕掛けの上のリーダーに、エダバリを2本付けて釣っていました。

すると・・・

誘い下げている時にひったくるようなアタリがあり、ラインが横へ走りました。

引きからしてサバのよう、ポンピングしながら水面に浮かせ、「なぁ~んだ、サバだよ~、それもダブル」と、あまり嬉しくはない声を上げた刹那、1匹のサバが大暴れ、バレてもいいやと下向きに構えていた竿が、その反動で掌からスッっと抜けてしまい・・・

海面で「シュポッ」と音がして母なる海へ・・・

もう1匹掛かっているサバが、愛竿と新品のリールとを、海の中で引きずって行ってしまいました・・・(涙)


落胆は大きかったですが、覆水盆に返らず、仕方がないので、帰りに釣具屋さんに寄って、昨日買ったばかりのリールをまた買いに行ったのでした。

そうしたら同じ定員さんが、「あれっ、林さんこのリール、昨日も買われましたよねぇ? 気に入っちゃったんですね! もう1台購入、ありがとうございます!」と・・・


僕はその店員さんに、「そういうことは・・、あまり聞かなくていいんだよ・・・」と、慌ててリールの支払いを済ませ、そのリールに巻くラインを買い忘れたことには気付かず、そうそうに釣具屋さんを後にしたのでした・・・