カワハギ釣りには、クラシックカーのような趣がある和竿で楽しまれる方もいらっしゃり、和竿を限定しての釣り会、釣り大会も催されているようです。

そんなカワハギ釣り、ある船宿さんに和竿を持って乗船される年輩の方がいらしたのですが、その和竿はちょっと通常の竿とは違っていました。

どんな竿か?

それは、僕等が子供の頃持って、ザリガニやオタマジャクシを獲っていた玉網の柄の部分のような竹で、その竹棒にグラスソリッドをはめ込み、大きなトップガイドが取り付けてあり、その他のガイドは不角形、針金を曲げて作っているとも思える竿なのでした。

その方の釣り方は、オモリを着底させ、ジィ~~と竿先を見つめているだけで、船が下がればラインが弛み、上がればオモリが底を切りといった、船の揺れが誘いとなるような、ある意味自然体というか、そんな釣り方でした。


毎週のように船に乗っていたカワハギ釣りですが、晩秋以降は冷え込む日もあり、船で沸かしたお湯で作るカップラーメンは実に美味しく楽しみなもので、船長からのお湯が沸いたというアナウンスがあると、バッグの中のカップをそそくさと探すのでした。

出来上がるまでに3分、他の釣り客もおにぎりを食べたりしている中、例のお手製の和竿の方を見てビックリ、思わずその光景に見入ってしまったのでした・・・

どんな光景か?

「カワハギ物語」という、冷凍アサリが入っているビンを想像してみて下さい。

丁度そんな形の、それよりはちょっと大き目なガラスビンの中に、ご飯とおかず、が入っていて、ビンを左手に、ご飯茶碗を持つように、右手の割りばしで美味しそうに食べていたのです・・・

釣友と、「弁当箱に『ビン』って、見たこと無いよな~」と、カップ麺をすすりながら、どうも気になってしょうがなく、その方をチラ見しながらラーメンを平らげ、釣りを再開したのでした。


その頃は丁度、アルカイダがニュース番組を賑わせ、「ジ・ハード=聖戦」などという言葉が横行してた頃でもありました。


そこで釣友が「あのおじさん、今度ここ(船宿)で会ったらさあ、ビンでご飯食べてたから・・・、『ウ〇マ・ビン・ゴハン』って呼ぼう」と・・・

これには失礼ながら、笑いを禁じ得ませんでした・・・