僕が子供の頃に出版された釣りの本を読み返す時があります。そんな時、温故知新言葉のように様々なことを教えてくれることがあるのです。

マダイ釣りには、地域によって様々な釣法があることに関心させられたこともその1つです。

そんなマダイ釣りですが、関東の内房から洲崎にかけては、ナイロンラインで手バネ竿を使った釣法があります。

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手バネの糸巻きにはナイロンラージというオレンジ色に染められた道糸を巻き、その先には10号の中オモリを付けハリスを出して、内房では小さなテンヤを付け、洲崎ではカブラでタイを狙うのです。

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船長からの水深の指示は「尋(ヒロ)」で、「さあやってみて、18尋ね」などと伝えられます。

一尋は概ね1.5mとなり、逸っている釣り人は瞬時に計算ができないこともあり(僕の事です)、船上では換算表を持っている釣り師、小型の電卓をビニール袋に入れてタナに置いている釣り師など、タナボケしないよう、指示ダナの換算に神経を使うのでした。


出船直後に港に活けてあるエビを船の生簀に移し、ポイントに近づくとその尾羽を千切り取り、マメテンヤにハリ付けし沈め、5尋ずつに木綿糸を編み込んだマーカーを注視しながら指示ダナに、仕掛が落ち着いた頃合いを見計らって、エビが跳ねるようなイメージでシャクリを入れタイを誘います。


アタリが来たら竿を立てるのですが、シャクリダイの手バネ竿は、通常の釣り竿と違って、アワセ動作の時に真上に向け、その格好が通常は竿が折れてしまう逆Jの字なのですが、そうなっても竿が折れることはありません。

その直後に、竿を持った手とは反対の手を逆手にしナイロンラインを取りに行き引き絞めながら上げ、次に竿を持った手でもう一手、反対の手でもう一手、合計三手分の長さを引き絞め、ナイロンの伸びを感じながら、その戻る力をも利用してハリをカエシまで差し抜くのです。

また、その無駄の無いアワセ動作が美しくもあり、ベテラン釣り師、船長のそれには、目を奪われるほど洗練された動きなのです。

伸びがあるナイロンラインのこと、小手先のアワセだけではハリ先に力が加わり難いところを、竿でストロークのあるアワセた直後矢継ぎ早に三手ラインを手繰ることで、通常の釣りよりも長い距離でのアワセでハリを貫くのです。


ナイロンラインとPEライン ≪後編≫ へ続きます


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