【湾フグ考8・タックル編】より続きます
外房のフグ釣りで使用するエサは概ねアオヤギであり、冷凍のものが船宿に用意してあって、バケツの海水などで解凍、暖かい季節になると割りと臭いが強く、辟易してしまうこともありました。
湾フグのエサはご存知アルゼンチンアカエビ、ボタンエビなどの生エビなのです。
大きさ、殻を剥くか剥かないか、または、頭を付けたまま使うか等がありますが、ここでは
【湾フグ考1・チラシバリ仕掛け編】での仕掛けに対応したエサについてお話ししたいと思います。
その3本のチラシバリ仕掛けをテストする毎日が続き完成度が高くなってくるにつれて、エサのサイズを気にし始めました。
最初の頃は、従来からのカットウ仕掛けで使う大きめのアカエビを船宿で買い求め、頭を取り、尾の殻を剥き大きいエビは4つに、小さいエビは3つに切り、それぞれ一個ずつハリに縫い刺ししていました。
この刺し方には2つのコツがあり、1つ目は、エビの尾は、人間の背骨にあたるところに背ワタがあり、ここから腹側に向かいスジ目が入っており、このスジ目にハリを刺すとエビが2つに割れやすいのです。
そこで、そのスジ目になるべく直角になるようハリを刺していきます。
2つ目は、エビの尾の、尾羽に近い部分より身の方が太いことを考えます。
そこで切り分けた尾の、頭に近い太い部分をオモリに近い、3本のハリ中でも1番大きなハリに刺し、一番長いハリスのハリには尻尾に近い小さなエサを刺します。
これは、潮に溶け出したエビの匂いを察知した、または、誘いをかけた仕掛けを見たフグが、体制を直して潮先から、警戒しながらエサに近づいてくると、なるべく仕掛けから離れたエサから食いに来ると考えている為です。
大きな身で匂いを拡散させ、ハリの大きさにジャストマッチな小さな身で食わすわけです。
そんな工夫をするに従って釣果も上向いてきだし、よりハリを口に掛けることを意識し、エサのサイズダウンを考えた時期もありました。
冷凍アカエビの小さなサイズを箱買いして試すも、尾の殻が薄く、剥くのにかなりの労力を強いられこれは断念。
某スーパーで、安価で殻が剥いてある小さなアマエビの刺身用のものを発見し、二つに切って使用、これがハリ掛かりもよく使用していた時期もありました。
ただ、身が細い小型のエビなので、エサのボリュームに欠け、やはり大きな親バリには、大振りのアカエビをエサとして付けた方が、匂い、アピールの点でも有利なようなのです。
そしてそのエサですが、アタリがなく、釣れない時ほど煩瑣に交換し、いつも半透明な、匂い立つような新鮮なものを使います。
白く海水で絞まり花開いたような、海底の砂が付いてしまっているようなエビでは、グルメの湾フグのこと、隣の釣り座の新鮮なエビの方に行ってしまいます。
交換した白くなってしまったエビは取っておき、その日、食いの立つ時間がきたら混ぜて使います。
次回は
【湾フグ考10・実釣誘い編】の予定です。