林良一ブログ RYO'S METHOD

テクニカル系船釣りの技術論(METHOD)や精神論をメインに、ちょこっと料理のことなども!

2015年12月

今年も様々なタックル、様々なアイテムが発表されました。

そんな中で、DAIWA船最前線ブロガーの萱沼さんと一緒に、12月25日発売の「つり人誌2月号」にて、「名手の推しMONO '15-'16」に掲載いただきました。


37ページでは、萱沼さんが主にカワハギ関連を担当。

151225_120842



次のページの僕は、ロッドやラインなどに焦点を当ててみました。

151225_120912



13ページと155ページには、我らが大将、宮澤さんのDKO2連覇の記事を掲載されております。

151225_120824



つり人誌2月号、是非ご覧いただけたらと思います。

151225_122254







ここのところ「本牧沖の40mで指4本が連日好調!」との釣果情報が、東京湾よりタチウオ遊漁船を出している船宿さんのHPに掲載されていました。


通常は浅くて70m位、深ければ200m近い水深になるこの時期のタチウオですが、ライトタックル、それも手巻きで大型タチウオ=ドラゴンが狙える水深ということで、「これはいなくなる前にいかなくちゃ!」と12月23日(水・祝)、浦安の吉久さんへ行ってきました。

 

当日は久し振りの単独釣行。ここのところのタチウオ人気もあり早目に吉久さんに到着しますが、既に9人のタチウオ釣り師の方々が釣り座を取っていおれらました。僕は左舷の舳2番のキャップを取って、宿にてラインにリーダーを取り付けたり、リールをロッドにセット、ガイドにラインを通したりしていました。


151223_052757


C360_2015-12-23-04-16-27-354



そんな時間も楽しいもので、吉久さん常連の石井さんとしばしカワハギ談義、聞けば去年、TKBで準優勝されたそうです(拍手!)

そうして何人かの方とお話ししているとやがて夜が明けてきて、昭久船長の20号船にタックルを持って乗り込みました。


151223_052739


タックルの組み立ては、まず40mの水深を鑑み、リーディング 73-MH 200にリールは堅牢なミリオネア、連日好調とはいっても、突然の食い渋りを想定しての同リーディングではありますが、1段柔らかで食い込み重視の73-M 200、浅場で芳しくなく、7~80mラインのポイントになっても大丈夫なように極鋭GEME M-175AGSをチョイス、リールはバックアップにスパルタンを用意しました。


C360_2015-12-23-06-21-54-603



当日はタチウオ乗り合いは大盛況! すぐさま2隻出しとなり定刻に出船、大澤船長の船の航跡をみながら、昭久船長の本船も江戸川を滑るように航行して行きました。


C360_2015-12-23-06-50-46-774



航行1時間程で、船は本牧ふ頭の沖堤近くでスローダウン、周囲にはタチウオを狙う船が20隻近くいたでしょうか。


早速釣り開始、ここの所の好調に鑑み、リールのハンドル1回転で1ピッチの早めのシャクリで誘ってみます。


しばらく続けますが反応なし・・・

となれば、リールのハンドルを1/2で、更に1/4にしステイも入れながら誘いますが、全く反応なし・・・


反応は健在ながらタチウオのご機嫌は悪く、近くの船も苦戦しているようです。

でも、底付近の反応に焦点を合わせ、粘り強く誘っていると時折アタリが訪れ、指3本が、その後に3本半が、そして4本半も登場しました!


C360_2015-12-23-09-56-20-200



それではと、ハリを大きく3/0にして同じように誘っているとアタリ⇒アワセ⇒??⇒ロッドを下に向けラインを巻き込み⇒ロッドを頭上までスーと上げて重さを聞くも重くない・・??

上がってきたのは・・・

3/0のハリに指1.5本のタチウオ(サヨリ?・苦笑)でした・・・(苦笑)


さて、2時間程本牧沖で粘りましたが、反応の割にアタリが少ないことを鑑み、昭久船長は観音崎に舳先を向けました。


観音崎でもタチウオ船団が出いていて、ここでは水深80m、やはり底付近の反応です。

C360_2015-12-23-11-23-58-130



しかし、観音崎でもタチウオはあまり芳しい反応を見せず、ちょっと戻った走水沖に移動しました。


ここではタナを決めジックリとタチウオと対峙、極鋭GAMEのしなやかなスーパーメタルトップを僅かに持ち上げる、又は押さえ込むアタリを注視し、そこからがタチウオとの「静」の駆け引きの序章、エサの端だけを咥えている状態から、ハリを仕込んである位置までタチウオの食いを促します。


151223_112452



噛みアタリと本アタリを見極め乗せるように大アワセ! 直後に訪れるトルクフルな引きにはつい腰を落としてしまうほでです!


前情報に反してテクニカルなタチウオでしたが、終ってみれば大型主体で20本の釣果でした。

夏のタチウオは、そのシャクリの早さ、バリエーションを当て嵌める釣りですが、冬は動かさないことが誘いのこともあり、そのタナ、ハリサイズの選択、エサの合わせ方、アタリの見極め等々、前アタリからアワセに至るまで、楽しい沢山のプロセスがある冬タチウオ、そんなテクニカルな価値ある1本を是非釣り上げていただけたらと思います。


釣り上げたタチウオはどのように調理しても美味しく、今回は定番の塩焼の他、通常の醤油と味醂の他、三杯酢でも漬けを作ってみました。


151223_194033



151224_174409

151224_163356


151224_163446


どれも美味しく、つい日本酒が進んでしまいました(笑)



さて、最後に吉久さんの年末年始の出船予定です。


151223_053409

カワハギ釣り教室では時折、「湾フグ釣りはカワハギ釣りの裏砥ぎである」というお話をいたします。

湾フグ釣りでは主に、ゼロテンションでアタリを待つ=出す のですが、カワハギ釣りが25~30号のオモリに対して湾フグ釣りは10号以下のオモリを使うことが多く、湾フグ竿の穂先はカワハギ竿の穂先に比べかなり柔軟な作りになっているのです。


たとえば海上に風がある日、ゼロテンションをキープするには船の胴中でも、竿の振幅で1m位の補正を行いながらの状態だったとします。

カワハギ竿では、船が波で上がる時、パーミングを緩めれば、僅かにたわんだ穂先はそのままに、スーッと竿が下がって行くと思います。

150417_080958


また、逆に船が下がる時は、逆転しないリールのハンドルを利用して、ラインを巻き取る時とは反対方向に、ハンドルを回すつもりで竿を起します。

ただ、カワハギ竿では僅かにたわんだ穂先をキープできても、より柔軟な穂先の湾フグ竿では竿先が振れてしまい、より難易度が高くなります。


11751884_10203181889106440_2446577356072392822_n


ですから、湾フグ竿でゼロテンションが決まれば、カワハギ竿ではより精度が高まっていることになるのです。


片刃の出刃包丁の、刃の付いている片面だけを研いでも切れることは切れますが、それだけでは刃先にかえり(バリ)が出ているもので、刃の付いていない平らな面を数回裏砥ぎしてかえりを取り去ることで抜群の切れ味となります。


「カワハギ釣りの裏砥ぎ」的要素が詰まった湾フグ釣り。

是非挑戦されてみてはいかがでしょうか。


150731_110655




今年最後の釣り教室だった12月20日、潮が流れずカワハギの活性が低く、中々テクニカルな日でした。

潮の満ち引きは季節で移ろいがあり、それはご存知の大潮や小潮などの干満の時間もさることながら、季節によっても変わってくるのです。

今時期では、日中の潮の動きよりも夜の干満差の方が大きく、春は逆に、日中に潮がよく動きます。


潮が動かないとおしなべて魚の活性が下がり、カワハギでは「エサ盗り名人」の真骨頂を発揮、アタリを出さずしてエサをかすめ取って行く「居食い」の芸に、ツルテンになって上がってきた仕掛けを見て苦笑いしてしまいます。

潮が動いれば概ね活性が上り、エサを食べながら潮に流され加減にもなるかも知れず、それがハッキリとしたアタリとなって表れることもあると思うのです。


でも、潮が止まっている時でもカワハギはエサを摂っていることもあるわけで、ワタしか食わず水管やベロが残ってきている状態でも、極わずかなカワハギとの接点を捉えて掛けてしまうことはできるのでしょうか?

そんなときは目感度にも手感度にも、極々小さなアタリしか出さず、どうすればそれを察知できるのか、そしてカワハギを掛けにいけるのかに、楽しい苦心をするものです。


各論的にはいくつかキーがあると考えられ、「小さいアタリを大きく出す」ことも考え所の1つだと思います。

食い渋って、口を大きく開けずにエサを食べに来るカワハギを想像すると、潮が流れず=摂餌中にも流され難い=アタリとなって出難い ので、口の中に入りやすい、よりハリは小さい方がよいのか?

そんな低活性な状況下でも、群れの中には活性が高い個体がいるのではないか?

等々、苦戦した釣りに、杯を傾けながら思案するのも実に楽しいものなのです。


151220_131809



カワハギ釣り・食い渋りの竹岡沖では・・・ 後編 に続きます



あと2日で冬至となる12月20日(日)、今年最後となるカワハギ釣り教室を、TKBでお世話になった第二泉水さんにて開催させていただきました。

 

当日の最低気温は2℃、凛とする空気の中、船が舫ってある荒川土手の対岸には、黎明のグラデーションが美しく映っていました。

 12360314_1498182663819147_4490205039875997502_n

そのまだほの暗い内に船に乗り込み、黒澤船長に船のライトを点けていただき、30分後に始めるレクチャーの準備を1人始めます。

 

船でお待ちしていると、次々とご参加の皆さまがいらっしゃいます。お一人お一人ご挨拶させていただきながら、釣り座決めのくじ引きをしていただきました。

C360_2015-12-20-06-33-11-930

 

さて、今回ご参加いただきましたのは18名様、多くのご参加ありがとうございます。

出船まで30分を切った頃、皆さまに船の舳にお集まりいただき、レクチャーを始めさせていただきました。

12399001_894400394008336_1828336502_n

 

レクチャーでは「カワハギとはどんな魚なのか?」、「カワハギ竿はなぜ先調子なのか?」、「ハゲバリと早掛け系のハリの特長、使い分け」などの他、ポイントとなる竹岡沖の特長などを述べさせていただきました。

1931971_894400404008335_1888433852_n

 

レクチャーが終了し、定刻の7時にまず黒澤船長のカワハギ乗り合い船が、次に小玉船長の本船が、鏡のような荒川の水面を静かに航行して行きました。

 

ポイントの竹岡沖まで、出船前のレクチャーでは小さくて分かり辛いエサ付けのご説明を個々にしながら、舳で釣り談義をしながら、今日の釣りに想いを馳せながらの1時間半、富津岬を過ぎるとそろそろポイントの竹岡沖になります。

580383_1498182070485873_4388118893651081594_n

 

竹岡沖の潮色は澄んでいて、開始の合図を待ちこがれていた皆さんは一斉に仕掛けを投げ入れました。

C360_2015-12-20-08-47-47-919

 

すると開始そうそう、左舷舳の藤松さんが1枚掛けます! 「今日は幸先良いな。このまま・・・」と念じながらパチリと1枚いただきました。

151220_085305

その後はあれあれ、後が中々続かず、船長にお聞きすると朝の水温は15℃台、ちょっと下がってしまったかな・・・?

東京湾は大型船の往来が煩瑣で、潜水艦を見ることも珍しくありません。

C360_2015-12-20-08-55-17-402

小玉船長は小まめに船を回しながら流し替えてくれます。次の流しでは、銘竿レッドチューンを繰る和田さんに嬉しい1枚が!

151220_092721

鈴江さんはコンディションの良いオスのカワハギを釣り上げました。DAIWAのウエアーが決まっています!

151220_093532

 

「今日が初めてのカワハギ釣りなんです」とおっしゃっていた渡辺さん、小さいですが立派な1枚、おめでとうございます。

151220_093650

 

右舷艫の矢内さんは、ゲストにお友達のカワハギを連れて来てもらう「お友達作戦」成功です! 当日初使用のAIR1455が光っていました!

151220_101507

 

右舷舳の工藤さん。これもいい型、何回か竿をのされそうになりながらの嬉しい1枚です!

151220_101604

「久し振りの釣りです」とおっしゃっていた大石さん。横浜からきていただきました。やはりカワハギ釣り、面白いですね!

151220_102947

 

さて、前半の上げ潮はごくユックリと流れているようで、カワハギはいるものの中々口を使ってくれない様相でした。

正午の潮止まり辺りから僕も竿を携え皆さんを回ってみました。

すると、しばらくすると宙で違和感を感じ、そのまま船の揺れを相殺するようにステイ、2秒後のモタレで聞きアワセをすると重い引きが訪れました。
途中までやりとりしながらリールを巻いてきたのですが、残念ながらバレてしまい、再度しばらく宙も狙うもカワハギからのシグナルはなく、ワンタッチシンカーを取り付け底の釣りで臨んでみました。

開始早々は船下を、アタリが無いとみればキャストしてカーブフォール、オモリ着底直後の小さなアタリで掛けに行きました。

151220_131809

 

後半は下げ潮なのですが、やはり緩くしか潮は効かず、中々活性の上がらない中、インターバルは長いのですが、時間が短い時合に合わすことが出来た方が数を伸ばしていたようでした。

 

後半、山中さんは弛ませて聞き上げた時に小気味い引き、上がってきたのは中型のカワハギでした。

151220_114102

 

飯口さんは当日唯1人のダブル、そして自己記録を更新、渋い中ツ抜けを楽々と達成、おめでとうございます。

151220_122025

 

前半は「ん~、釣れないよ~、泣きそう・・・」と、冗談交じりで語っていた小林さんでしたが、後半帳尻を合わすところは流石でした。

151220_133810

 

良型を釣り上げた山下さん。回って行く度に、様々なご質問をお受けいたしました。

 151220_143447

 

カワハギの機嫌はちょっとよろしくない日でしたが、ご参加の皆さまは熱心にカワハギと向きあっておられました。

そんな楽しい釣りの時間はあっと言う間、沖上り時間になり、船は荒川河口に向け帰港いたします。

151220_144322

 

第二泉水さんでは、宿から土手を越えた荒川に桟橋がある為、船へ移動する際はワゴン車でクーラーやバッグを運んでもらえます。
これは下船後も同じことで、竿のみ手に持ち宿の船を移動できます。

そうして宿の前にてバッグなどの到着を待つ間、当日1日の総評を述べさせていただき、ちょっとしたくじ引き大会、じゃんけん大会などを行わさせていただきました。

集合写真を撮らせていただいた後は、宿で供されるアツアツの豚汁をいただき解散となります。

 

 

 

12391832_943562629059807_3433800784914019524_n

 今年最後の釣り教室にご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。

第二泉水さんでは初めての釣り教室となりました、小玉船長、黒澤船長を始め、お世話になりました。

151220_163928

 

まだまだ冷めやらないカワハギ熱、今シーズンはどこまでカワハギが連れ続くのでしょうか!?

 

釣り教室はまた来年、皆さまの「釣れた」では無くして「釣った~!」という笑顔とお会いできることを心より楽しみにしております。

 

C360_2015-12-20-07-07-25-382

 

 

↑このページのトップヘ