林良一ブログ RYO'S METHOD

テクニカル系船釣りの技術論(METHOD)や精神論をメインに、ちょこっと料理のことなども!

2016年11月

先日、「ハリスのヨレが気になるのですが、対処法はありますか?」とのご質問をいただきました。


細くて長いハリス、具体的には、1.5号で10cmハリスなど、その柔軟性=自由度 を生かし、吸い込みの良いスピード、それも小バリを使うことによって、コッパでもハリを飲み込み易くする仕掛けが一つの有効パターンとなっています。

対極には、太くて短いハリス、4号で3cmなど、フトコロの広いフックやワイドフック等の、ハリ先を常に上側に向け、アタリ⇒即掛ける釣りに用いられています。


実際に釣りをしていて、そういった「細くて長いハリス」ほど、幹糸に巻いてしまったり、そうでなくても、ハリス自体がヨレてしまって、真直ぐだった時とは全く違い、電話のカールコードを伸ばした状態のようになってしまうことがあります。

こうなってしまうと、細くて長いハリスの「自由度」が阻害され、「このヨレたハリスでも釣れるのだろうか?」という不安を抱き釣り続けることが迷いに生じ、出せるアタリも出なくなってしまうこともあります。


ここで、冒頭に書かせていただいた、ご質問をされた方は、「どのようなハリスを使えば良いか?」と聞かれてきました。

確かにハリスがヨレルのですから、ハリスにヨレが入り辛いものを使うのが一考となりますが、その場合、ハリスの質が同じなら、太くて短いモノとなり、ハリスの質を問うなら、張りがあるものとなるでしょうか。

ただ、どちらにしても、「自由度」は奪われ、意図した釣りはできなくなってしまいます・・・

そこで!


カワハギ釣り・ハリスのヨレはどう防ぐ? ≪後編≫ に続きます


【今後の釣り教室】

カワハギ釣り教室 at えさ政釣船店さん 12月4日(日) 満船御礼・キャンセル待ち

湾(アカメ)フグ釣り教室 at えさ政釣船店さん 12月11日(日) 満船御礼・キャンセル待ち

追加日程・湾(アカメ)フグ釣り教室 at えさ政釣船店さん 12月18日(日)


カワハギ釣り教室 at 池田丸さん 12月23日(金・祝)







DKOも終わり今週末はTKB、東京湾カワハギバトル開催です!

3匹の全長合計を競うこの大会は、入賞する裾野が広がっていて、ご参加いただくどなたにもチャンスがあります。

ここで

「大型カワハギはどうやって釣るのか?」ですよね!

個人的には、「大型カワハギを釣る確率を上げること」はできるのではないかと思っています。

今年の横浜フィシングショーでは、ダイワ船ブースでの宮澤さんとのトークショーで、「大型カワハギを釣り上げるには」についてお話しさせていただきました。

その時、いらっしゃた方々にお配りさせていただいた内容を掲載させていただきました。



【大型カワハギを釣り上げるには】

 

大型カワハギは、ある意味小型のカワハギよりも釣りやすいかも知れません。

ただ大型になれば、自然界で外敵、漁師の網、釣り人の誘いの中生き抜いた老獪さを持っている筈で、その個体数は大型になるほど少ないことは想像に違わないと思います。

では、そう言った大型カワハギを釣り上げる「確率を上げる方法」は?

 

〈動かさない〉

仕掛けの上下動の追従、幹糸をクルッと回る回転半径など、小型ほど早く巧みにでき、大型ほどその早い動きを追い切れず、動きが緩慢である。

なので、仕掛けはなるべく動かさない、動かさないことが誘いとなる。

 

〈大型には大エサ〉

短絡的に大型には大エサという考え方も正解だが、動かさない仕掛けにはゲストも群がりエサが取られやすい。

そこで、アサリを1つのハリに数個付ける事により、エサを大きく見せると共に、1つのエサが取られても、まだ複数のエサがハリに残れば大型を待てる。

 

〈大型には大バリ〉

大型はパワフルな引き、重量があるゆえ、丈夫な大バリ、それも太軸でパワータイプの方が安心。

また、大型ほど口が大きくハリ掛かりは良い。

 

〈赤いケミホタル〉

「赤が大型には効く」と断言する大型カワハギ釣り師がいらっしゃいます。

赤は波長が長く、水中でスポイルされ易く、そのほのかな明るさが大型を魅了する?

 

〈引きをいなす〉

軟らかなクッション性のある竿。

リールのドラグを使う。

 

〈取り込みをサポートしてもらう〉

掛けた後大型と判断、水面まで浮かせる前に、恥ずかしがらずに隣の方にタモ入れサポートをお願いする。

 

2016/01/30(Sat)カワハギ最前線トークショーにて DAIWAフィールドスタッフ 良一



ご参考になればと思います。

ちなみに僕は、自宅から近い松陽丸さんに乗船、審判をさせていただきます。

当日ご乗船の方、よろしくお願いいたします。


一昨年の夏釣り上げた34cm、尾びれがあれば・・・

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【今後の釣り教室】

カワハギ釣り教室 at えさ政釣船店さん 12月4日(日) 満船御礼・キャンセル待ち

湾(アカメ)フグ釣り教室 at えさ政釣船店さん 12月11日(日) 満船御礼・キャンセル待ち

追加日程・湾(アカメ)フグ釣り教室 at えさ政釣船店さん 12月18日(日)


カワハギ釣り教室 at 池田丸さん 12月23日(金・祝)

11月26日(土)、2016年のDKO決勝の火蓋が切られました!

個人的には、1次予選は辛くも検量で、2次予選はブッチギリで臨んだ決勝、全国より700人余りから勝ち抜いた選手と、シード選手を加えた18名での決戦となりました。

当日は北北東の風、ポイント到着の頃は下げ残りの潮に間に合うかという時間帯で、緩い上げ潮がきいてくれば、左舷の舳が有利となる予想の中、大会本部で朝、緊張のくじ引きで僕が引いたのは「左-1」、何と潮先の釣り座を引き当てたのでした!

 

ここで前夜、どのロッドを携え挑むのかに思案しました。

メインの1455 AIRにスパルタンは決定、これで1日通すつもりなのですが、サブにをどうしようかと考え、目感度アタリをより大きく出すZEROなのかボトムなのか? 深場想定のレンジの出番は? と、色々と模索している中、サブをボトムとエアドに決定、AEROと旧1455を、リールを付けずに持って行くことにしました(バッグの中にサブリールのスマックを1台)。

 

さて開会式、選手紹介も終わり、大会本部より開国橋のたもとに移動、本船の山下丸さんに続き、観戦ツアーの巳之助丸さんが続き、決戦の舞台である竹岡沖目指して出船しました。

久里浜港から竹岡までの半分の航程を過ぎた頃、ゲバチ根辺りから航路迄の掛け下がり、25m付近から開始の合図が出ました。

 

状況は、11月に54年振りに関東に雪を降らせた低温の影響か、数日前から海水温が下がり、それにつられるようにして、竹岡沖のカワハギの釣果も上がってきていました。

暖かな黒潮は離れていることも、その水温低下に影響していると思いますが、潮色はほぼクリア、北北東風が最初4~5m位、のち6~7m位で、下げ残りの潮はほんの少し感じられたものの、緩い上げ潮が全くきかない様相でした。

 

序盤は、2次予選で有効だったな釣り方から臨みました。

これは、釣り教室でもお伝えしてる、シンカーの重さを的確に決め、仕掛けを大きく弛ませては少し弛ませるを繰り返す釣りなのですが反応が薄く、「定点で、より動かさない方が得策か?」と、1、2枚を上げたところで作戦変更、タタキ下げからのゼロテンションでアタリが出るかを試してみます。

1455の竿先に僅かな変化に即アワセをし追加しますが、次第に、エサは盗られるがアタリが出ない状況となってきました。

そこで・・・

ロッドを、より穂先が繊細で、なおかつハンドリング性も生きるボトムに持ち替え、極小さなアタリを即アワセでは掛からないことを鑑み、アタリを一瞬送り、直後の変化で掛けて行く釣り方に変更、数を重ねて行きました。

ところが・・・

潮止まりから、期待の上げ潮の時間帯に入って行く時間帯なのですが、アタリがピタッと止ってしまったのです・・・

隣りの釣り座の、同ブロガーの西村 豪太くんと2人、首を傾げながらの中盤、どうやら風なりに船が移動しているようで、右舷艫の小林 直樹さんが猛チャージ! 左舷の胴中~舳にはアタリが少なく、しばらくしてアタリがあっても、誘い直すともう食ってこなかったり、そのアタリも極々小さく、「キタマクラにしては変なアタリだな」という位で、ボトムのトップガイドを僅かに震わす程度だったのでした。

でも、そんな中、根気よく誘い続けている内に、小規模な群れが通ったと思われるときなど、豪太君は4連荘、内ダブル1回、別の時間帯で僕も4連荘など、自分の間合いが来たとなれば、外さず釣り続けました。

 

DKOは、最もステイタスがあるカワハギ釣り大会ではないでしょうか。

予選、決勝とも、エサであるアサリを市場に予約、5キロを買い求め選別して剥いて用意しています。

また、その年の竹岡沖の状況を鑑み、仕掛けの細部の寸法を細かく変えてみたり、ハリの選択、先のロッドの選択、そして、最も効果的である釣り方を組み立て臨みます。

当日は神頼みのくじ運がありますが(笑)、一番良い釣り座が引けたのにもかかわらず、自然条件の手痛いしっぺ返しが・・・

でも、その直面した条件がどのようであれ、その時、最高のパホーマンスを発揮するのが選手としての使命であると思いますし、応援していただいた方々への感謝の気持ちでもあると思っています。

右舷の合計171枚でしたが、僕の左舷は113枚。大艫で準優勝された鈴木さんの26枚に次ぐ18枚の釣果、善戦できたのではないかと思います。

 

結果6位となりましたが、たとえ結果が優れなくても、優勝したとしても、全てを出し切った戦いを終えた、晴れがましく、清々しい気持ちは変わりありません。

2008年より出場させていただいているDKOは今年で9年目、今回で4度目、決勝の舞台に立たせていただきました。


下記は、観戦ツアーに応援にいらした方が、SNSに投稿されたコメントの抜粋です。

ここから

まさかの大トモ有利。
釣り教室で常々話されている
「自然が相手なのでセオリー通りに行かない。その状況の中で、自分のやれる事を全て行う」を最悪の状況下で実践されたのだと思います。
大会後の良さんは、大会前の表情とは全く違い、まさに「一片の悔いなし」でしたね。

ここまで

ありがたく嬉しくもあり、ちょっぴり報われたような気持ちでもありました。

 

観戦ツアーに参加された皆さま、ありがとうございました。

出場者の方々、お疲れ様でした。

ダイワスタッフの皆さん、協力船宿様、ありがとうございました。

そして、優勝された小林 直樹さん、準優勝の鈴木  泰成さん、3位のみやさん、おめでとうございます。

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DKOは、また来年・・・

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リンガーハットの駐車場で。

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新米杯で釣ったカワハギの内、弱ってしまったものを持ち帰り、簡単にできる「つゆ焼き」を作ってみました。


先ずはカワハギをさばき、皮を剥いて、小さなものはそのまま、大きくなるにつれて、「つゆ」がしみ込むのと、焼きムラが出来ないように、身の厚い所に包丁で切れ目を入れます。

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これを、濃縮タイプのめんつゆに漬け込みます!

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ジップロックに身を入れ、濃縮タイプゆえ、めんつゆは少な目に入れます。

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空気を抜くようにしながらジップロックを閉じ、なるべく重ならないよう、平らにして冷蔵庫に入れます。

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数時間ごとにひっくり返して、朝仕込んで夜に焼いても良し、1~2日漬け込んで、濃い味にしてから焼いても美味しいです。

今回は、月曜日の朝仕込んで、水曜日の夕方焼いてみました。

焦げやすいので、たまに向きを変えながら焼きます。
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漬けてあった汁は小さな鍋に移し替え、一旦煮立ててから、うどんのつゆ、焼いたカワハギの身を入れたお茶漬けのだしなどにすると美味しいです(浮いているのは、熱で固まったタンパク質です)。

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そのままむしって食べたり、お茶漬けにしたり、お酒にもご飯にも良く合います!

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ある格闘家の本を読み返していて、ふと目に留まったった一文がありました。

その格闘家は、かの剣豪、宮本 武蔵の「五輪書」を引用、解説されていました。

その中には「覚悟薄き時は、人に転ぜらるる事有り」という見出しが付けられていて、「いざ太刀を手にしたならば、それはみな、敵を切る縁なり」と書かれていました。

それは・・・

真剣勝負で敵の太刀を受けたり、そのままつばぜり合いをしている時にも、「太刀を受けるということは、防御では無く、敵を切る為に受けている、何事も切る縁と思うことが肝要也」と、晩年書き上げたとされる書の中であっても、かなりの場面を切りぬけて来た武蔵ならではの気迫が伝わってくる一文でした。


釣りでは・・・

敵は、好敵手とも言い替えることができる対象魚でありますが、釣りは剣と違い、命を賭す勝負ではなく趣味なのですが、その教えを当て嵌めてみるならば、「誘い下げをするスピード」1つ取ってみても、なぜそうするのかは、今まさに対峙しているカワハギを釣り上げる為であって、誘い下げをするために釣りをしているのではないということなのです。

それは、タックルのメンテナンス、仕掛け作り、アサリの殻剥き、情報収集他全てが「カワハギを釣ること」の為の行為だということができます。


情報化社会の今、カワハギを釣るための情報、それは道具であったり、釣り方であったり様々ですが、1枚でも多くのカワハギを釣りたいのであれば、そういったモノをいざ手に入れても、それを十分理解して使いこなすことが重用であって、闇雲に実釣で使ってみても空回りするだけなのです。

その先には

そのモノを毎晩愛でながら、1杯呑るのがこの上なく楽しいのであればそれも一興、趣味なのですから全く問題ありません。

ただ・・・

カワハギとの真剣勝負をするという角度から見据えると、「これを使えば釣れる」といったことは中々見込めません。


名手と呼ばれる方々はきっと、「全ての所作は1匹を釣るために」という考え方に基づき釣りに臨んでいると思いますし、もし武蔵が釣りをするならば、やはり同じ心境だったのではないでしょうか。



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