布団を作る職人さんを取り上げた番組を観ていました。

祖父の代から続く町の布団屋さんなのですが、現在57歳であるご主人がお店を継いだ当時は、量販店に安価な出来合いの布団が並び、三か月間一人もお客さんが来なかったのだそうです。


そのお店主は、可能な限りその布団で寝られる方の家を訪問、実際にどのような寝具で寝られているのかを見させていただいているようなのです。

そこで、長年使っていて凹んでいる部分などをリサーチ、それを鑑みてオーダーメイドの布団の作成に取り掛かるのだそうです。

厳選した数種の綿を柔らかくほぐしてから混綿(こんめん)し、先の凹んだ部分には、経験で裏打ちした技法でどんな綿をどれくらい使うかなど、ご注文をいただいたその方を思い浮かべながら精魂込めて布団を作って行くのです。


中に入れる綿や材料が揃い、布団を作るために作業場に入る店主は、そんな材料の前に正座し「よろしくおねがいします」と頭を下げてから作業を始めるのでした。



その作業場の壁には、父である先代が、作業中に閃いた言葉が所せましと書かれていたのでした。

その一つに

「だれにでも出来ることを

だれにも出来ないくらいやる！！」

といった言葉がありました。



柔和な表情の店主は、喜びをもって布団作りに向き合っていたのでした。


1本1本カワハギのハリを結ぶこと。

湾フグ仕掛けを1組ずつ作って行くこと。

オモリに捨て糸を結んで結びコブを短い間隔で作って行くこと。


この番組を観ながら、自分はだれにも出来ないくらいやっているのだろうかと思うのと共に、心に残る良い言葉を胸に刻んだのでした。



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#心に残る布団職人の言葉