「微細な変化である場合のアタリを大きく出そうと、竿先が細く柔らかい竿ほど船の揺れ、風での振れが出てきてしまうことがあり、アタリを感じ取る難易度はグンと上がってしまう」

ではどうすれば良いのか?

 

船の揺れに対処するには?

僕は独自の「ゼロテン・パーミング」で竿を握り、その握った掌の中指を支点として、波やウネリによって船が上がれば竿を下げ、船が下がれば竿を上げるようにし、僅かに撓む竿先の曲がりを一定に保つようにしています。

ベイトリールを取り付けたカワハギ竿を例に取ると、リールを固定するためにねじ込むフォアグリップの前方辺りが重心となり、その重心に指を添えると竿は水平を保ちます。


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その重心に竿を握る手の中指を添え、竿ごとリールを包み込むように握り込むのが僕のゼロテン・パーミングです。

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ゼロテン・パーミングは重心に中指を添える為、トリガーは小指の後ろに、通常のパーミングよりも随分と前寄りを握ることになります。

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ゼロテン・パーミングでは、握っているだけで竿は水平になっています。リールを巻く手は軽くハンドルに添えておきます。

船が波やウネリで上がった場合は、ハンドルに添えている手(指)を緩めればそのまま竿は中指を支点として自然と下を向きます。

船が下がった場合は、逆転しないリールのハンドルの特性を生かし、ハンドルに添えている指でハンドルを逆転させる方向に巻くように動かせば、中指を支点に竿は起きてきます。

 

風で竿先が叩かれてしまう時は?

先に船最前線でリリースさせていただいたブログ記事、強風時の竿の構え方にあるように、なるべく竿尻を風上方向に、竿先を風下方向に向け、竿を風と平行に、竿尻から竿先へと風が抜けるように構えることである程度解消されます。

 

このゼロテン・パーミングで、竿の振幅さえ間に合う揺れであればゼロテンションを持続することができます。

 

ゼロテンションのデメリットは?

オモリを海底に置いて成立するゼロテンション。
船を流して釣る場合そのままでは、オモリと船との相対距離が次第に離れて行ってしまいます。そうすると、マルイカやカワハギなど、宙を釣る釣りと混在する場合、宙を釣っている釣り人のラインは垂直近くに立つのに対し、ゼロテンションの釣り人のラインは次第に斜めになって行きます。
そうするとお互いのラインが交差してしまう確率が時間と共に上がって行くわけで、オマツリの原因にもなりかねません。

オモリを切ってとオモリを置いての釣りが混在する場合、ゼロテンションではその時間を短くするなど、早い仕掛けの入れ替えを心掛けたいものです。

 

ただ、オモリが宙を切っているマルイカ釣りでも、ラインの太さの違い、スッテのタイプや本数の違い他でオマツリは発生しますし、宙釣りと底の釣りが混在するカワハギ釣り釣りでもしかり、お互い周りの釣り人のラインの角度に注意を払った仕掛けの投入、入れ替えなどを心掛けることが大切だと思います。

 

また、なぜゼロテンション時のアタリは極小さいのか?  僕なりの考えを以前の船最前線ブログでリリースしてあります⇒アタリの寸法

 

ゼロテン・パーミングからリールと竿を外すとこんな手の形となります。

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このゼロテン・パーミングは、皆さんがいつも釣り慣れている、竿を握り慣れているパーミングとは違っているのではないかと思います。車のハンドルを例に取ると、円形のハンドルを三角形にして運転するようなもので、違和感があるのではないでしょうか。
でも、一たび身に付いてしまえば、多少揺れる船上であっても揺れない堤防で釣っているかのように、海底付近の仕掛けが暴れることなくピタリと止めることができます。

ゼロテン・パーミングは開催している釣り教室で、ご希望があればご参加の皆さん個々に随時お伝えしております。

 

竿を握った中指を支点に、船の上下動に合わせてハンドルに添えた手で竿を微妙にコントロールしながらアタリを探すゼロテン・パーミング。

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