船に乗って沖へ出て釣りをする船釣りでは、アンカー(碇)で船を定点に固定(といっても微妙な動きはありますが)しない流し釣りでは、船長が意図した方向、速度で船を流して(移動させて)行きます。

アンカーで船を固定しての釣りの一つにアナゴ釣りがあります。

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アンカーを打たない流し釣りの場合、GPS機能搭載の機器やアプリがあれば、船に乗っている自分が海上でどの方向に移動しているかが分かりますが、「山立て」を覚えてしまえば、竿を持ちながら時折岸に目を向けるだけで、おおよその船の動きが分かるものです。

山立てとは・・・

岸に目をやり、一直線に重なる2つの目標物、例えば煙突と高い建物、一軒だけ色が違う家屋と鉄塔など、その場でそういった目印を見つけます。

手前の目標物をA、奥にある目標物をBとすると、船を流している場合、奥にあるBが手前のAより右に出てきた場合は船は右に移動していることとなり、左に出てくれば左に移動していることになります。

魚探やプロッターなどが無かった頃は、漁師は皆この山立てを、それもABと、それとは異なる場所にあるA´B´を山立てし、海底深くにある根などのポイントの真上に、それも正確に船を着けたそうです。


(エンジン)流し釣りでは、船長は艫にあるスパンカーを立て、船を風見鶏のように概ね風に舳先を立てて安定させ、そのエリアでそのとき流れている潮の方向に船を移動させていきます。

その状態で、根であったり、反応であったり、ポイントの上に船を通過させながら、なるべくラインを立っている状態にしながら釣らせてくれるのです。

写真は2012年のDKO決勝の時のもので、カワハギ釣りではエンジン流しのことが多いです。

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また、ヒラメ釣りのような横流しは、潮の流れ、又は風を船の片舷に受けて船を真横に移動させる流し方ということと、エンジン流しでも定点に止める操船をし、ピンポイントを釣らせることもあることも、覚えておくと良いかも知れません。


以前乗ったことがある、年老いたカワハギ船の船長は、山立てでポイントを決め釣らせてくれました。

でも、霧深い日には岸が見えず、レーダーや魚探が搭載されている、孫が操船する船の後ろをくっ付いて航行していました。