今年も桜の開花宣言が過ぎ、いつ咲き誇ろうかと、大きな蕾を沢山付けた桜を先日見てきました。

桜の花は儚いもので、幹から見上げると青空が見えない程に咲き誇るのに、その艶姿も数日、風が吹くとけんもほろろに散ってしまう様も、どこか潔く感じられるのではないでしょうか。


隅田川沿いには、その名も「桜橋」から下流の墨田公園が有名な桜の名所で、開花になると賑わいを見せ、昼の部が済めば夜桜と、その艶やかな数日を楽しむ花見客が訪れます。

川には屋形船が浮かび、岸沿いの、それも一番咲き誇っている桜の近くに碇を下し係留、川から見る花見風情を、杯片手に船べりにもたれながら楽しんだりいたします。


花見はやはり、週末に人が出て賑わいを見せるようですが、ある年の土曜日は朝からしとしとと雨、夕方からは風も強まり、開花のピークを越えた桜は一気に花びらを落としてしまったのでした。

翌日の日曜日は抜けるような青空、春の暖かさで潤う大気の中を出船、花びらで桜色に染まった川面を、真一文字に切り裂くように船は隅田川を下り、残った花びらが時折船にはらはらと落ちてきたりなど、この季節だけの風情を味わったものでした。

そう、海さくらさん。

石巻で災害ボランティアを続けている団体です。

桜は日本の花、日本の象徴でしょうか、僕らも本当に微力ではありますが、お手伝いをさせていただいております。


桜 船

花びらが舞い上がる航跡を見ながら、岸の葉桜とのコントラストを楽しめる、唯一日の春の日でした。