川筋から出船する船宿さんでは、時には砂利を山のように満載した船や、台船を引いたダグボートの往来があったりして、川に舫ってある船上で準備をしていると、「ポチャン、ポチャン」と船体に引き波がぶつかり、心地良く揺れながらなのが慣わしなのでした。

その船宿さんから出船し、館山湾までは2時間、当時は湾奥出船の船も、館山湾でマルイカ釣りができたのでした。

浅草や、今ではスカイツリー、佃島を経て河口へ、レインボーブリッジを潜り、風の塔、第二海堡、富津岬、浮島、まだその先に館山湾はあるのです。

しかし、そんな航行中も釣り人にとっては楽しい釣り談義の時となり、遠路から来てくれた釣友に挟まれ、瞬く間に時は過ぎポイントに到着したのでした。


期待の第一投!

着底⇒ゼロテンション⇒数秒のステイ⇒アタリなし⇒タタキ⇒ステイ⇒アタリなし⇒巻き落とし⇒???、根掛り・・・

この頃より、マルイカ釣りではタングステンシンカーがクローズアップされ、投げ釣り用の35号(写真は33号)を使っていました。

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そして、ゼロテンションで狙う為、上層まで探れるようにスッテは7本、根掛りで全損すると5000円前後の損失となってしまいます・・・


ただ、願いは叶わず仕掛けが高切れ・・・

両脇の釣友は、高額ロストに凹んだ僕に、「こんなこともあるさ、これからこれから!」などと、肩を叩き励ましてはくれるものの、頭の中を回想するのは、「タングステンをスッテごと奉納、あああ・・・」でした。

さて!

頭を切り替えて、そう、これからこれから! 新たな仕掛けで挑みます。

ポイント移動⇒投入合図⇒オモリ着底⇒聞き上げると⇒???

また根掛りです・・・

釣友は「何だ、りょうさんまた根掛り? ついてないねぇ、」、「両脇の俺らは根掛りしないのに、何でりょうさんだけ? お気の毒に・・・」と労ってくれます。

でも・・・、またタングステンと仕掛けが・・・

この間1時間余り、かなりの落胆を抱え込んで中盤戦の入り口に差し掛かります。


さて、気を奮い立たせて再度新たな仕掛けを、タングステンをセットし釣り進めますが、それから30分もしない内にまた根掛りしてしまうのでした・・・

真っ白になっている頭の中、「どうにか取れないものか」と、叩いたり弛めたり、試行錯誤を繰り返しますが、一向に根掛りが外れる気配はありません・・・

両脇の釣友はと言うと・・・

3度目は、怖いものでも見るかのようにチラッとこちらを見て、見ぬふりを、素知らぬ顔をしていました・・・


頭の中が完全に、かなり長い時間真っ白になり・・・


乗船料よりはるかに高い、釣り開始2時間足らずの、悲壮感漂うお話しでした・・・(涙)