船釣りを始めた頃、船上の規律は船長に委ねられ、その船長なりのしきたり、いわば個性を垣間見ながら、「釣らせてくれるのかな?」と同時に「どのような人なのだろう?」と思ったものでした。

当然人ではる船長は、調子の良い日もあれば、その経験を駆使して魚を探すも、中々上手く行かない、といった日もあるのでした。

そんな船長と親しげに話す常連さんに憧れの念を抱いたり、そんな方々の声をかけかれると、純粋に嬉しかった頃がありました。


それから何年か経ち、ポイント移動を繰り返すも、中々アタリが無い時、船長が「林くん、どう、さわる?(アタリがある?)」と聞かれるようになる頃から急接近、船長とも、常連さんとも(多少緊張しながらも)仲良く話せるようになったのでした。


ただ、操舵室は聖域というか、気軽に出入りする常連さんを尻目に、その「結界」を破ることは、しばらく・・・、そう、10年以上できなかったのではないかと思います。


でも今では、釣り教室の時などは特に積極的に、操船中の操舵室に入って行き船長と情報交換、プライベートでは釣り談義に興じたりと、釣りに行くのですが、船長に会いに行くような気分にもなるものです。


釣りは、釣果を上げるのが、最も解りやすい第一の目的かも知れませんが、その他の楽しい事柄は、後々船長が、常連さんが教えてくれるものです。