カワハギ釣り・誘った後の聞き上げ <前編>より続きます


適正な誘いでアタリを創り出し、いざアワセに行く時、カワハギ釣りでは「聞きアワセ」をします。

「聞く」とは、仕掛けを静かに上げて、その重さの違いであったり、魚の口の中にハリが入っているかを確認する動作のことです。

では、アタリがあるとビシッとアワセを入れる他の釣りと違って、カワハギ釣りでは、なぜ聞きアワセをするのでしょうか?

それは

カワハギの口の構造に密接な関係があるのです。

カワハギの口は、人の口と似ていて、クチビルがあり歯があって、その後に口腔、口の中の空間があります。

ですから

ハリが仕込んであるエサをカワハギが食べた場合、ハリ先が歯の裏に引っ掛かった状態で頭を振り、それがアタリとなって釣り人が捉えることも多いものです。

でも

そこでビシッとアワセを入れてしまっては、その、人の力であるアワセで上を向かされたカワハギの、歯の裏を滑ってハリ先が出てきてしまう=バラシテしまう ことになるのです。

そこで

カワハギの歯の裏にハリ先が引っ掛かっている状態で聞きアワセをし、ユックリとカワハギを動かして上げることによって、違和感を感じたカワハギは泳ぎだし、結果、ハリ先は口の中で横にずれることになり、カンヌキと呼ばれる口の脇にハリが刺さることになるのです。

大切なのは聞きアワセの速度で、僕は概ね、「1秒間に1m」を目安に聞きアワセをしています。

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また、ゼロテンションでアタリを創り出す場合は、張っている幹糸に違和感を覚えるのか、口に入れたエサを早めに吐き出すことが多いようで、アタリがあったら即アワセをします。

それも

30cm程ロッドを跳ね上げ、掛かればもっとロッドを上げながらリーリングに入りますが、掛からなかったことも考え、その後のワンチャンス、ツーチャンスを大切に、仕掛けのすぐ下にいるカワハギに、再度エサをプレゼンテーションするようにします。

これは、湾フグ釣りでの釣り方、アワセ方にも共通するものがあります。


何れにしても、掛かった後は、ロッドとラインの角度を90度位に保ち、ATD(オートマチックドラグシステム)を効かせながら、カワハギを水面まで導きます。