「ふたりの神様」とは、寿司・数寄屋橋二郎の店主、小野 二郎さん(91歳)と、天ぷら・みかわの店主、早乙女 哲哉さん(70歳)のことなのです。

この、和食会の神様よ呼ばれるお2人をクローズアップしたテレビ番組がありました。


二郎さんはこの年齢にして、まだ寿司に対する探究心は貪欲で、他店を食べ歩き、「何か自分の仕事に生かせるものはないか」と、真面目で精力的なのです。

早乙女さんは、夜の町に繰り出したりと、二郎さんとは違った一面があるのですが、別の番組では「天ぷらのネタ、あるじゃない。それが白鱚だとしよう。今このまな板の上にある鱚は、漁師さんが一生懸命獲ってきて、運送会社の方が慎重に運んでくれ、仲買い人の方の手に届くんだ。もちろん鱚の命を頂くことはもちろんなんだが、それまで携わった方々の努力も無駄にしてはいけない」と、若き見習いの前で言っておられました。


そんな2人は、20歳以上の歳の差がある中で、親友を越えた間柄でお互いい尊敬し合い、またライバルなのです。

二郎さんは、早乙女さんの揚げる天ぷらを「こういった揚げ方の天ぷらは他にはない」と言い切ります。

220℃の高温の油で、短かな時間で揚げ、表面はカリッと、中はレアな状態を見極めて揚げるのですが、二郎さんいわく「揚げる時は息してないよ。それで揚げるタイミングを押し計ってるんだ」と、ある意味蒸し物でもある天ぷらの機敏を、揚げる方も、見て食べる方も捉えているのです。

一方早乙女さんは・・・

「二郎さんの凄いところは、一貫の寿司に、50も100も仕事を施すところだ。たった一貫の寿司にだよ。魚にも対しても、これ以上引き上げきれない程味を引き出している」と賛美します。


非常に感銘を受ける番組でした。

二郎さん、早乙女さん共に共通していることは、素材の持ち味を100%近く引き出す為に、掛けられる手間は掛けるだけ掛け、古の技法に、それぞれ編み出した神算の技法を加えることにより神格化しているのだと言うことが伝わる番組でした。

そういった仕込みで二郎さんは、生の蛸を塩を使わずに1時間揉み続け(もちろん弟子がするのですが)、その蛸の繊維を断ち切るのだそうですが、塩揉みしても大変な作業、それも1時間も・・・、手間を掛ける度合いが全く違うことを思い知らされました。


釣りでも、例えばハリにハリスを巻く場合でも、50も100も、経験値から来る、自分だけのものを入れ込みたいと思いますし、そのハリは、開発してくれた方、製造する方、流通に携わる方、そして釣具屋さんを経て手に入ることを思い計らって、好敵手と対峙するために、十分に向き合って行きたいものです。

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6月 3日(Sat) マルイカ at 志平丸さん(満船)
   
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  17日(Sat) マゴチ釣り教室 at 吉久さん(募集中)

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  24日(Sat) マルイカ at 志平丸さん(募集中)