フグ釣りをする時のカットウ仕掛け。

以前は「口に掛けないのだから引っ掛け釣りだ」などと敬遠、強く否定的な釣り師もいらっしゃいました。

では何故フグ釣りは、口にハリを掛ける釣り(食わせの釣りもあります)より、魚体に碇型であるカットウバリを刺して掛ける釣りが普及したのか考えてみましょう!


フグの口にはくちばし状の歯があります。

上下の歯が突き出すようなV字状で、噛む力も強いことから5号程度のハリスでもスパッと切ってしまうのです。

カワハギ釣りでも、サバフグやキタマクラが多くいる時など、感度の良いロッドを使っているにもかかわらず、気配がほとんどなくハリスを切って行く犯人でもあります。

ある船長から聞いた話しなのですが、活トラフグを出荷する時には、狭い生け簀に入れ移動するため、相手を傷つけてしまう歯を折り取るそうなのです。

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そんな歯を持つフグですが、興奮したり威嚇する時に膨らむこともご存じかと思います。

その為フグには肋骨が無く、表皮は膨らんだ時に破けぬようにコラーゲンが豊富に含まれていて丈夫にできているそうです。

ですので、膨らんでいない通常の時は、腹側の皮はいわば萎んだ状態で、ブヨブヨとしているのです。


また、割と頭部が大きな体躯をしており、下あごにカットウが掛かると、頭を振りながら断続的な引きをするものです。


よって

①鋭い歯を持ちハリスを切ってしまう

②膨らんでいない時の腹側は弛みを持った表皮で、カットウが掛かりやすい

③比較的頭部が大きいので、カットウを掛ける際の的が広い

などの理由でカットウ仕掛け、カットウ釣りが普及したのではないかと考えられます。

また一部の歯の鋭い魚を釣るためにもカットウが使われる仕掛けがあります。


カットウバリを考える 〔中編〕 3本と4本では? に続きます


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