水深は15m前後、活性が高い時はエサを水面まで果敢に追う浅場のタチウオ。
反面低活性時には底に張り付く反応しか出ず、エサの先を咥えては離すことを繰り返し、中々フッキングにには至らないものです。
そして浅場ゆえ、ラインの糸ふけ、伸びはあまり期待できず、ゆえ、食い渋りのタチウオとよりダイレクトな勝負となり、アタリを弾いてしまうことも少なくなく、腕の差がでるテクニカルな一面が色濃くある釣りでもあるのです。
そこで、胴に掛かる軟らかなロッドで軽いオモリを使い、食い渋りのタチウオのアタリをより弾かない釣り方を試してみたいこと思っていました。
試したいことはもう一つあり、波止の引き釣りで使うタチウオテンヤを使っての釣りを東京湾の浅場のタチウオ釣りに応用してみるという試みで、こちらは 浅場のタチウオで試し釣り!・後編 で書かせていただきたいと思います。
さて、そんな思惑を携えてえさ政さんへ向かいました。
宿の近所の神社で手を合わせて「上手く行きますように」とお願いしてみました。
当日は常連の大熊さん、矢内さんといった顔見知りの面々での出船、フグの乗り合い船には岸さんの姿も。
柳沢船長が舵を握る船は、航行1時間足らずでポイントの富津沖に到着、15艘ほどの船団が出来ていました。
最初はエサ釣りで柔軟ロッドを試してみました。
極鋭GAME 73 M-193AGSはオモリ負荷10~40号と、40号以下を使うことが多い浅場のタチウオに合致していて、その辺りのオモリを背負わせたときの穂持ちのたおやかな曲がり(参考記事はこちら)が秀逸です!
快適天秤スピードに、ハリスはディーフロン船ハリス200FXの7号(後に5号にダウン)を2mとし、D-MAX 船タチウオ SSの1/0(後に1にダウン)をセット、オモリは快適船シンカーSの40号から始めて、潮が緩くなるにつれて30号、25号と軽くしてきました。
リール:スパルタン IC
ライン:UVF メガセンサー12ブレイドEX+Si 1号
ポイント到着直後は潮の流れだしで、艫側に仕掛けが流され加減になりました。
ですので、2mのハリスは横になびき、おそらく、オモリを海底から50㎝位切った位置でエサは海底付近と考え、底ベッタリの反応とのことですので、オモリ着底後50㎝巻き上げ、そこからごく低速で誘って行きました。
すると、柔軟な穂先から次ぐ穂持ちを押さえ込むアタリ!
そこで止めて食いを促すとガクンと!!
1本目は難なく釣れたのですが、これはテストの本命、低活性で食い渋りのタチウオではありません。
2本目は渋い食いでと望みながら(って、そんな釣り師は僕位ですかね・・・苦笑)、丁寧に誘って行くとアタリ!
「アタリがあったら上へ上へと誘い上げて来る」とは、タチウオ釣りの定説、大切なセオリーではあるのですが、超低活性次には、まず100%追ってこないものです。
ここがタチウオ釣りの楽しいところで、エサのタラシ部分をあの鋭い歯で噛んでステイしているタチウオ、食欲があまり無いタチウオの口の中に、いかにしてハリ先を入れて行くかが勝負の分かれ目となります。
初動のアタリでアワセを入れると、高確率でこうなっちゃうのです・・・
エサがずり下げられて、タラシ部分だけをその鋭い歯で切って行きます。
いや、正しくは、釣り人のアワセの力によってエサを引き切ってしまうのです。
ではどうするか?
エサを甘噛みした挙動、それは柔軟な穂先に「プルプル」と、または小さく「コンッ」などや、タチウオがエサのタラシを噛む僅かなモタレを感じた時、繰り返すシャクリの重さが微妙に変化した時などにシャクリを止める事を意識しながら釣ることが大切になってきます。
エサを追わないタチウオとの対峙となりますから、その場でエサを止めてやり、「しょうがないなぁ・・・、食べてやるか」と口を使うまでの根気勝負となります。
その時、船の揺れ(当日は北東の風が6~7mで、やや揺れ加減でした)を吸収しながらロッドを上下し、尚且つたおやかな穂先~穂持ち部分にフォローしてもらいながら、大切なアタリを弾かないように食い込みを待つのです。
その際、軽くタタキを入れて、噛まれたエサが暴れている様を演出すると一気に食ってくることもあります。
浅場、食い渋りのエサ釣りで、柔軟ロッドの威力を実感できるテストとなりました。
夏タチウオ釣りにはこの、極鋭GAME 73 M-193AGSの出番が多くなりそうです。
こういった、目的を持った釣りも良いものです。
浅場のタチウオで試し釣り! ・後編 に続きます
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