小学生低学年の頃、釣り道具を求めて墨田川に架かる橋を渡り、当時二軒あった釣具屋さんに通ったものでした。

一軒は「みどり屋」さんで、その先の角にあるのが「かど屋」さんでした。

みどり屋さんに行くと、いつも眼鏡を掛けたおばあちゃんが出てくるのでした。

こちらでは、束ねられている、細い竹を切って乾燥させたままの述べ竿を選んだり、タナゴ釣りでエサとして使う玉虫を一個幾らで買ったり、学年が上がって行くと、当時高価だったラパラなども買ったりしていたのでした。


一方かど屋さんは、みどり屋さんよりもかなり古い建物で、その店構えに見合うかのような老夫婦が営んでいました。

中通しのハゼ竿に、イトを通すピアノ線を買ったり、どちらかというとみどり屋さんで揃わないものを探しに行っていた感がありました。


ある時、みどり屋さんでビンドウを買いました。

ビンドウとは、薄いプラスチックで出来ていて、練り餌を仕込んで、そのニオイなどで寄ってきた小魚などがビンドウの中に入ってしまい出られなくなるという、簡単な漁具のようなもので、当時は四つ手やビンドウで小魚を獲って遊んでいたのでした。

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さて、この中に入れるエサですが、ニオイの強いサナギ粉、魚粉に、メインはマッシュポテトといった、ちょっと豪華な練り餌を使っていた(安価な米ぬかなども使われていた)のでした。

みどり屋さんでビンドウを買い、エサも買ったのですが、マッシュポテトを切らしているということで、ではとかど屋さんに向かったのでした。

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出てきたおばあちゃんに聞くと「ましぽてとだね」と・・?

友達と「『ましぽてと』って何? マッシュポテトのこと??」

なんて思っているとおばあちゃんは、おもむろに足元を指さしたのでした。

そこには、箱に入ったマッシュポテトの袋があったのですが、その箱に立ててある段ボールには「ましぽてと 〇〇円」と書かれていたのでした。


そのましぽてとを買って、翌日は早起きして、仲間と自転車を漕いで埼玉県八潮市にある八条用水に向かったのでした。



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