林良一ブログ RYO'S METHOD

テクニカル系船釣りの技術論(METHOD)や精神論をメインに、ちょこっと料理のことなども!

2015年11月

一本釣りをするカツオ漁師を追うドキュメント番組を見ていて思い出したことがありました。

それは、「二級ポイントの中の一級ポイント」という考え方なのですが、番組の中でその漁師は高性能ソナー、レーダー、海水温を広域で見ることのできる最新機器を6千万円をかけて船に装備し、一瞬の判断を間違えば、命をも左右しかねない漁に毎日臨んでいたのでした。

そういった最新機器を使いこなすことはもちろんなのですが、年間で2ヶ月のみ自宅に帰るれる休暇中でも近隣の寺社などを回り、豊漁と安全を祈願して御守りをいただいてきて出漁の時に船に持ち込んでいて、その数たるや十や二十ではないといった側面も持ち合わせているのです。


釣りでもそうなのですが、「今日はこのポイントだろう」と向かうが芳しくない釣果の時もままあるもので、毎日のように沖に出ているプロの船長をしてそうなのですから、自然の移ろい、対象とする魚の全てを想い計ることは非常に難しいと言えるのではないでしょうか。


そんな中、漁師でも遊漁船の船長でも、一級ポイントでは船同士が多く、ゆえに魚に対してのプレッシャーも高く、操業し辛い一面も想像できます。


遊漁船では、例えば夏のタチウオ船団の場合などは食いダナが浅く、船の音、船の影が真下にいるタチウオに密接にかかわる環境にある場合など、魚探で群れを見つけてのリバースギアの音、船体を震わすスラスターの音、細かくは魚探のパルスの発信音にさえも気を使う船長もいらっしゃいます。

そんな船長の真横に大きなリバースギアの音を立て船を停止させ、スラスターをかけられてしまうと、水面下にいたタチウオの群れは沈下、警戒するのか食い方もてき面に下がってしまいうことがあります。

そんなときは、船団が出来ている一級ポイントを脱して周辺海域をくまなく捜索し、群の規模は小さいながらも高活性なタチウオを見つけて、大船団を横目に二級ポイントの中の一級ポイントで1人勝ちなんていうことを経験したことがあります。


カツオ漁師も搭載している最新機器を駆使し、僚船が操業している遥か遠方の漁場を導き出し、ライバルが誰もいない場所で1人勝ち、毎年日本一の水揚げを競っているそうです。



TKBの前にDKOの話題を!

昨日はDKO(ダイワカワハギオープン)の決勝戦が行われ、見事、宮澤 幸則さんが連覇いたしました!!

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これで、DAIWA勢で9年間優勝のバトンを繋いだこととなりました。

みやさん、心よりおめでとうございます。


さて今日は、12月5日(土)に迫った、東京湾カワハギバトル・TKB44を鑑み、本日浦安の吉久さんにてカワハギ釣り教室を開催させていただきます。

TKBのルールは、釣り上げたカワハギ3枚の総全長で争われ、数釣りで順位を決めるカワハギ釣り大会のルールとは対極にあります。

当然大型カワハギを釣り上げた方が有利となることから、大きな個体を釣る確率を上げるスキルも存在し、出船前のレクチャーではその辺りを重点的に述べさせていただこうと思っております。


ポイントとなる今季の竹岡沖は、まだまだ大型カワハギが残っていて、それに標準を合わすのか、又はコッパも視野に入れての組み立てとするのか、ご参加の皆さまにおかれましては様々な質問をご用意してきていただけたらと思っております。


これは去年釣り上げた34cmのカワハギですが、尾ビレがちゃんとしていれば・・・

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大型カワハギを是非釣り上げていただけたらと思います。




                    【カワハギ釣り教室のご案内】

ポイントとなる竹岡沖は今年、シーズン真っ只中のコッパ(小型カワハギ)も出て来ていますが、大型が残っている割合も多いようで、これからの展開も実に楽しみです。

12月20日(日に)、葛西橋の第二泉水さんでの開催です。

是非この機会にレベルアップを、そして美味しいカワハギを堪能していただけたらと思っております。

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繊細な釣り人の感性を語れるにはほど遠い幼少の頃、より1匹を釣りたいと追い駆けていたザリガニやクチボソ、タナゴ。

それからフナになりコイ、ブラックバスを経て船釣りへ、最初に乗ったのは夜アナゴ釣りの船でしたが、これは今の自分の釣りの幹の一端となりました。

当時は江戸前の2本竿は持ってなく、バスロッド2本、リールのナイロンラインをPEに巻き替えての簡略的、取りあえずのタックルで挑み、半夜釣りでアナゴを2本釣ったことを今でも良く覚えています。


それからシーバスジギング、タチウオ、カワハギ、マルイカ等々、東京湾内の釣りを追うことが15年余り続き、当時は釣れていてもそうでなくても、1軒の釣り宿から毎週出船、どんな状況でも何かを持って帰ろうと躍起になっていたものでした。

東京湾と言う限られた海域でしたが、海図を見ると実に変化に富んだ海底形状をなしていて、例えば「竹岡沖」というエリア1つ取ってみても、そんな大場所ほど様々なポイントがあり、その場に適した釣り方があるものです。


3シーズン目に開花したアナゴ釣りでは、ポイントに向う船の操舵室の無線から「今日は林さん乗っているの?」と、しきりに聞こえてきて、ポイントでは隣り合った僚船の無線から「さっきは手返し〇秒だった。今一荷で釣ったでしょ、ちょっと遅くて△秒!」と、アナゴを取り込んで外し、エサ付けして投入までの秒数をキッチリと計られたりしたこともありました。

そんな当時、20回乗って19回東京湾トップで、1回は1本差で次頭だったのでした。

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何を追うか

追うものは己に課した目標かも知れず、それは竿頭なのかも知れません。

そんな目標を立てて、大人が夢中になることができる釣りは素晴らしい趣味だと思います。

自然条件が相手ということもあり、すぐに結果が出ないのが釣り。

「今度はこういった仕掛で、この釣り方を・・・」などを思い描き・・・、だから毎週のように通ってしまうのではないでしょうか。


今2015DKO決勝の船は、決戦後竹岡沖に向かっていることでしょう。

数百人が追い、精鋭16が追っている今日、誰が掴むのでしょうか。



その価値観によって大きく違ってくるとは思いますが、皆さんはどういった時、いつ輝いていらっしゃるでしょうか?

釣りをしているときもしかり、日常は大きな出来事が次から次へとあるわけではないので、そうそう輝ける瞬間は訪れないかも知れません。


個人的には

船上で苦労して苦労して、やっと掛けた1枚をリーリングしている時、それは小さな光ながら船上で輝いているのではないかと思います。

輝きを放つ人を見ている時。

先日のDKOの1次予選では、予選を突破した方々も輝いておられました。

輝ける時は記憶に鮮明に残っていて、それ以降の似た場面で自然と呼び戻され反芻してしまいます。


また先日、娘の文化祭を見に行く機会がありました。

彼女は中学1年から4年近く続けているチアリーディン部のリーダーで、17人のメンバーの先頭に立ち校庭に入場、家では滅多に見せない満面の笑顔でセンターで踊っていました。

練習の為に朝寝坊の彼女は僕より早く起き、夜は一杯呑ってはうとうとしている時に帰って来る日が続いていました。

我が子ながら彼女も輝いていました。


釣りでも日常でも、素で輝く笑顔に心打たれるものです。

日頃努力しているからこそ、頑張っているからこそ訪れる輝ける時。


明日はDKO決勝ですね。

皆さんはどんなとき輝いていらっしゃるのでしょうか。




11月22日(日)神奈川県の三崎港にて2015新米杯が開催されました。


今年の参加人数は何と285名、14隻の船を連ねての大規模なワンデーのカワハギ大会です。


朝の受付時間前からうらりの広場はヒートアップ、新米杯の人気、カワハギ熱が窺い知れます。


 

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僕は伝五郎丸さん1号船の船リーダーとして、選手兼審判員として参加させていただきました。


 

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船上で写真撮影後船に各船は出船、沖での宮澤さんからの開会式の合図で、2015新米杯の始まりです!

 

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各船思い思いのポイントを目指します!

 

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港前すぐのポイントから始めますが、僕の乗った左舷にはアタリが少なく、序盤は右舷側にアタリが集中していたようでした。


 

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開始1時間が過ぎた頃でしょうか、前田さんが船リーダーを務める瀬戸丸さんが近くを通過、僕が両手で大きく「0」を形作ってアピールすると、前田さんは「V」サインを返してきてで2枚釣ったようでした。


この時は中オモリを付けて 弛ませる⇔沢山弛ませるの中でアタリを探している中、水深がやや深いこと、アタリが無いことを鑑み、中オモリは仕掛け上部に1.5+1.5+1=4.5号まで重くし、下オモリ直上のビーズからハリスを出し、ヒラウチやタタキ下げ等の誘いはするものの、その後はかなり底を意識した釣りに徹していました。


 

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開始1時間半を過ぎた頃、再度瀬戸丸さんが前を通り、前田さんは両手を挙げて「7」のサイン、僕はその時小型と中型の2枚のみ・・・。


反対舷の藤岡さんはその時9枚、橋本さんはツ抜け、そのお隣の龍さんも釣っているようです。

 


そこで思案。


アタリが遠いことを鑑み、今まで底を意識した組み立てをしていて、エサを定点で動かす誘いに徹していたが、どうも思った結果が得られないことから、「動きのあるエサには食って来ない」という1つのファクターのみに焦点を当ててみることにしてみました。


状況的には曇天で、海底付近の光量は少ないかも知れないといった負の要素もあるが、数日前からの黒潮の差し込みによるクリアな潮色と水温上昇、前日の情報などを加味すると、魚はいるのに食い気が無いのではないかと考察し、低活性≒底潮の流れが無い に当て嵌め次の一手を打ってみることにしました。

 


それは


仕掛けを4個ビーズ仕掛けから3個ビーズの枝間に戻し、中オモリを取り去り、ハリス7cmを5cmにして再トライしてみました。

 
オモリ着底⇒50cm~1m底を切り⇒ヒラウチしながらユックリとオモリ着底⇒オモリパタパタ⇒ステイ⇒ゼロテンションで出る小さなアタリに掛けに行く 釣りに変えてみました。

 


すると


「動いているエサは追わない」のですが、「動いているエサを見ている」ようで、それから止ったエサには少しの間をおいて近づいてくる=アタリが出始めた のでした。

 


そうなると


誘った後のゼロテンションで掛けに行く釣り方は、自分の得意としているカワハギ釣方の1つであり、そのバリエーションこそはあるものの、そこをアジャストしてしまえば後は強めの風対策位で、釣り進めながらいつも頭の中にある「自分の間合いに好敵手を誘い込んで掛ける」釣りスタイルの精度を上げることに夢中になっていきました。

 

またその頃から僕らの左舷でもカワハギが上がり始め、そのアタリが出続けている15分前後の、沖上りまで何回か訪れた時合にどこまで枚数を稼げるかが勝負の決め所であったようでした。


その時合中でも、アタリは出るが掛かり難い≒低活性になって行く・またはスレル?  の機敏に注意常に向け、そうなってきたら、小さなアタリが更に小さくはなってしまいますが、仕掛け上部にに中オモリを付け、誘いの最中で幹糸をランダムに動かしエサに違った動きを与え、食い気を再度促すと共にリアクションバイトも視野に入れ誘いを掛けてみると、ハリ掛かりが良くなる場面がありました。

 

ただこれは、同じエリアだとしても、各船の狙っているポイントは離れていたりと、状況は僕個人的な観点からということをお断りしておきます。


実際下船後に複数の方々とのお話しの中では、各船で水深が違っていたり、潮の流れが違っていたりと、状況は様々であったようです。

 

 

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「1枚までが遠かった~」とこの表情。僕も1枚目を手にするまでには苦戦でした~、でも、その後5連荘と、驚異の追い上げでしたね!

 

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〔当日のタックル〕


ロッド:極鋭カワハギAIR 1455


リール:スパルタン


ライン:12ブレイド0.8号


仕掛け:序盤は下から0、8、12、15cmの枝間の下3ヶ所に、スピード7号・ハリス2号7cm
中盤からは下から6、12、15cmの枝間の仕掛けに、スピード7号・ハリス2号5cm

オモリ:海中の光量が少ないとの考え方から夜光・深場で早い潮の場合はタングステンなどの沈みの早いオモリ

エ サ:DKO1次予選用に10月初旬に剥き塩漬けしていた小粒のアサリ

 


沖上りまで30分を切った頃、船中を回らせていただき枚数を確認、最大魚の計測を行いました。


その後にカワハギを釣られた方に追加の申請をしていただき、帰港までに集計、下船後は大会本部に結果をお渡ししました。


宮澤さんのMCで各参加チームの紹介の間に結果を集計、その後各船、大型賞、レディース賞などの発表が行われました。

 

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結果29枚、船中最大魚も釣り上げ船別優勝、2番手が23枚だったことを考えると出来すぎな結果でした。

 

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ご参加の皆さま、ご協力いただいた船宿さん、スタッフの皆さま、新米杯を企画いただいた宮澤さん、石塚さんありがとうございました。

 

来年も新米杯、今から楽しみにしております。

 

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                      【カワハギ釣り教室のご案内】

                                                   《11月29日(日)開催》

TKB(東京湾カワハギバトル)決勝の1週間前、大型カワハギの確率を上げる内容も盛り込ます! 湾奥開催第2弾、浦安の吉久さんにての開催です。

まだ若干名の空きがあるようです。

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                     《12月20日(日)開催》

ポイントとなる竹岡沖は今年、シーズン真っ只中のコッパ(小型カワハギ)も出て来ていますが、大型が残っている割合も多いようで、これからの展開も実に楽しみです。

葛西橋の第二泉水さんでの開催です。

是非この機会にレベルアップを、そして美味しいカワハギを堪能していただけたらと思っております。

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