林良一ブログ RYO'S METHOD

テクニカル系船釣りの技術論(METHOD)や精神論をメインに、ちょこっと料理のことなども!

2015年11月

やっと日程の都合がつき参加できることになった今年のTKB予選、葛西橋の第二泉水さんの小玉船長にお伺いを立ててみると既に定員とのこで、審判員として参加する筈でした。


それが前日、「店から1名キャンセルと連絡がありましたので、是非選手としても出場して下さい」と、やはり小玉船長よりありがたいお言葉をいただき、11月8日(日)、選手兼審判員として乗船させていただきました。


 

さて、まだほの暗い内に宿の前に到着すると、中からすぐシャッターの開く音がし明かりが点き、DAIWAののぼりも映えるのでした。


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今回ご参加の方は僕を入れて22名様。宿の前でエントリカードを書き受付けを済ませ、荒川土手の向こう側に舫ってある船に移動します。


このときクーラーなどは宿の車で桟橋まで運んでくれますので、希望の方は申し出ると良いと思います。


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定刻の7時に出船。まだ船がスローな内にマイクを借り、TKBのルール説明をいたしました。


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「今日は僕の他に2人船長が乗って行くので、林さんは釣りに集中して下さいね」とは小玉船長。「何かお手伝いできることがありましたら何なりと言ってください」とお礼をし、自分のタックルを用意いたしました。

 

今回は深場想定では愛竿AIR-1455スパルタンの組み合わせ、20m前後であればボトムスマックの組み合わせを用意、ラインは両方とも12ブレイド0.8号を巻いてあります。

 

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そして仕掛けにはちょっとひと工夫!  前情報を分析してみて、朝一は下げ残りの潮があるものの、その後上げ潮になるまでは淀んでいる時間帯が長く、上げ潮になっても緩く利いてくるだろうと予想、潮が動かない≒食い渋り対策に、「カワハギの視線から外れぬようユックリと仕掛けが弛んで行く」をイメージして、仕掛上部にワンタッチシンカーを分散して取り付け、「大型カワハギには赤いケミホタルが効く」とのセオリーも鑑み装着、当日は曇天~雨天=光量の少ない海底付近 を想定しオモリは夜光をチョイスししてみました。


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ハリは大型カワハギも難なく釣ることができ、かと言ってコッパのフッキングも悪くないパワースピード7.5号にハリス2号・7cmをチョイスしてみました。

 


竹岡沖迄は航行1時間半程、8時半の開始の合図と共に釣り始めました。

状況は読み通り下げ残りの潮で、北よりの風と相まってややラインは後ろに流れ気味になって行く中、仕掛が安定してところで 弛ませる⇔大きく弛ませる を繰り返します。


2秒に一回位のそのリズムなのですが、そのリズムを「プルプルッ」と乱すのはトラギスの時が多く、そのアタリは仕掛けがやや弛み気味~ハワセの時間が長いことを意味し、決してアワセを入れずに、アタリが無くなったところで底を切り少し移動、今度はあまり仕掛けが寝ないように 弛ませる⇔大きく弛ませるを繰り返します。


そこで「コツン」とリズムを乱すのはカワハギのことが多く、一瞬送った後に段付の聞きアワセをしてカワハギ自らフッキングさせます。


この釣り方で開始30分余りでリミットメイク達成! 3枚の合計は65cmといったところだったでしょうか。


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一息ついて船内を一周してみると、半数の方のバケツにはカワハギが泳いでいましたが、中々アタリが出ない厳しい様相でした。

段々と雨も降ってくる中、皆さん集中してカワハギと向きあっています。そして少ないアタリで釣り上げこの笑顔です!


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降り続く雨の中、DAIWAののぼりも寒そうにばたついていました。


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僕は早々にリミットメイクが果たせたものの、その後のサイズアップに苦戦が続き、「コツン」を送って聞き上げると、カワハギの引きなのですが力強くは無く、コッパ小型が数枚続きました。


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皆さんも雨の中、集中力を切らさずに頑張っています。 しかし当日は寒かった・・・、もう防寒の季節ですね。


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さて、繰り返す誘いの中、ひときは重い初動から一瞬送り込み、小刻みな段付きで聞き上げると竿が叩かれました!


ボトムの胴中でためながら上がってきた、当日一番大きなカワハギと入れ替え、3枚で70cm位の感じになりホッとまた一息つきます。


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皆さんも一生懸命頑張っています。その甲斐あっての価値ある1枚にほくそ笑んでしまうものです。


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14時半の沖上りと同時に検量が開始され、その後は北よりの風、雨に向っての航行の為キャビンに入っていました。

 


荒川に入り船をスローにして、小玉船長がマイクで表彰式を行いました。当日は特に大きなカワハギが出なかったこともあり、3枚で70cm足らずではありましたが1位通過することができました。


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「あ~、寒かったね~」と皆さん口々に桟橋到着、宿では熱々のアサリ汁でのお出迎え、これには体が温まりました。


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今回都合により1度しか乗船できないTKB予選でしたが、当日は運良く竿を握ることができ、予選を通過することができました。


ご参加の皆さま、天気が悪く寒い中のご参加、心よりありがとうございました。

第二泉水さん、お世話になりました。

 

TKBはまだ予選が続きます。そして決勝は12月5日(土・予備日は12日・土)となっております。

決勝当日僕は、審判員件選手として参加、表彰式で皆さまとお会い出来ることを楽しみにしております。


 

最後に、第二泉水さん、黒澤船長の勇士をどうぞぉ~~~!!

 

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カワハギの活性が高い時、多数で群がって食っているような時、早い潮が淀んだ時、風が吹き始めた時などにカワハギは浮くようで宙釣りの出番となりますが、活性が低い時は浮くことはあまり無いと感じます。

産卵後の個体、厳寒の越冬期、冷たい潮は入った時はきっと、底付近でジッとしていることが多く=低活性の状態と言えます。

以前コイ釣りをしていた時、コイは冬は消化の良いゴカイやアカムシなどの動物質のエサしか口にせず、もちろん魚類なので体温は水温と同じで、低水温期に食物繊維が入った練エサを食べると消化不良を起し、時には死に至ってしまうんだそうです。

カワハギは基本的に動物質のエサを食べますが、先のコイのように、低水温期は消化があまり良くないのかも知れません。


そんな時は、目の前で早く動くエサには、たとえ視界に入ろうとも追うことはせず、宙を切ってしまったら、それはなお更だと想像ができます。


僕はそんな時、仕掛け上部に中オモリを取り付けて、弛ませる⇔沢山弛ませる を繰り返し、カワハギの目の前で、ゆるやかにエサを動かしてあげることにしています。

「低活性はハワセ釣りでは?」とのお考えも最もなのですが、底にあるエサは目立つことが無く発見され辛いもので、アタリを出すにはやはりエサの動き=誘い は必要だと感じています。


たとえば「20cm弛ませて、更に20cm弛ませて、その後20cmだけ聞き上げる」を繰り返せば、ハリスの長さにもよと思いますが、カワハギの目の前で数ミリ~数センチの動きをエサが繰り返すことになり、カワハギの目線に常にエサが入っていながらにして動いていることとなり、少しの揺れはあるものの定点の誘いと言うことができると思います。


アタリは繰り返す誘いのリズムが崩れますので、一瞬送って聞き上げるとハリ掛かりしてきます。

昨日のTKB予選ではこの作戦が嵌り1位通過、その模様は後日、DAIWA公式HP船最前線ブログにアップいたします。

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【カワハギ釣り教室のご案内】


《11月15日(日)開催》
岩礁あり、カジメあり、トリッキーなポイントが連なる腰越・池田丸さん開催の第2弾です! 今季好調な腰越沖、是非この機会にスキルアップいただけたらと思います。

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《11月29日(日)開催》
TKB(東京湾カワハギバトル)決勝の1週間前、大型カワハギの確率を上げる内容も盛り込みます! 湾奥開催第2弾、浦安の吉久さんにての開催です。

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今日は第二泉水さんより、やっとTKBに出場できそうですが、出場といっても審判としてのオブザーバー参加となる予定でした。

今年は何かと私用が重なり、TKBの予選に中々出場することが叶わず、予定がハッキリした時点でその日は既に定員とのこでした。

でも、船に乗って沖に出れば気分は上々なもので、こういった参加の仕方でも一向に気になりません。

と思っていたら昨日、小玉船長とのやり取りで、1名キャンセルが出たとのことで、急遽出場できることになりました。


ご参加の皆さま、よろしくお願い致します。

そして、頑張りましょう!


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一昔以上前には、この釣り方では右出るものがいないといったカワハギ名手がいたようでした。

たとえば久比里では、「〇〇さんは△△丸の常連でタルマセ釣りの名手、一方◇◇さんは☆☆丸の宙釣りの名手」など、各宿を代表する名手がいらっしゃいました。

やはり十数年前になりますが、その名手の1人と艫で背中合わせで乗り合わせたことがありました。
その名手、一たび釣りが嵌った時の勢いは凄いもので、一生懸命釣ったつもりがダブルスコア―近く離されたことを記憶しています。


宮澤さんの「5セオリー理論」にもあるように、「ハワセ、タルマセ、ゼロテン、宙、早い宙」の中のどれかを、又は2つを複合的に使い釣果を上げていた名手の方々ですが、ある記述で「あの名手は宙釣りなので、ある特定の釣り場では強いが、カワハギが浮きにくいような釣り場では負けることがある」と読んだことがあります。

5セオリー理論は、カワハギの状態や活性を鑑み、ステージ1は自動車のローギアのごとくスローな釣り、ステージ5はトップギアで高速を飛ばしているといった状態で、「カワハギがその状況に合ってくれば」効果的な釣法となりますが、低活性時に宙を攻めていてもエサは取られず、高活性時にハワセの時間が長ければツルテン必須、そう多くのカワハギを釣ることはできません。


近代カワハギ釣法では、「活性に合わせた釣り方」をすることが最も大切な事だと言え、カテゴライズした1つの釣り方に留まることはなく、全ての釣り方を駆使できなければなりません。

その為竿は細分化し、仕掛けの枝間が変り、ハリの種類・号数、ハリスの長さ・太さ、果てはエサの大きさ・〆具合など、そのファクターを掛け算すると、気の遠くなるような組み合わせができてしまいます。

その中から、今まさに釣っている状況を正確に読み取り、多岐に渡る攻め方を絞り込み当て嵌めて行くことによってカワハギと近づいて行くわけなのです。



「前回釣りに来た時とどこが違っているか」に主眼を置き、いつも柔軟に、時として大胆にカワハギと対峙し、自分が秀でた釣り方があればそこに当て嵌められるのか、駄目ならばどこにシフトチェンジして行くのかに思いを巡らせ釣り進めることが大切だと思います。

また、たとえ食いパターンを見つけることに秀でていたとしても、ある特定の釣り方しかしないのであれば、カワハギとの接点は少なくなってしまうとも考えられます。


トップギアから車を走らせることは困難で、ましてやローギアで高速道路を走り続けることはできないものです。

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【カワハギ釣り教室のご案内】


《11月15日(日)開催》
岩礁あり、カジメあり、トリッキーなポイントが連なる腰越・池田丸さん開催の第2弾です! 今季好調な腰越沖、是非この機会にスキルアップいただけたらと思います。


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《11月29日(日)開催》
TKB(東京湾カワハギバトル)決勝の1週間前、大型カワハギの確率を上げる内容も盛り込みます! 湾奥開催第2弾、浦安の吉久さんにての開催です。

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ダイワでは「フックビーズ」と呼ばれる、幹糸に通し、その上下を八の字結びなどで固定して使う、幹糸から直角にハリス止めが出たビーズが近代カワハギ釣りでは仕掛けに多用されています。

元来胴付き仕掛けでは、幹糸にハリス(鈎素)を直接結びエダス(枝素)として作られていました。

今でもこの方法の胴付き仕掛けを使う方もいらっしゃり、仕掛に糸以外の余計なモノが付いていないという反面、ハリ先が鈍った場合など仕掛ごとに交換しなくてはならず、幹糸に直にハリスを結んでいるので、ハリスのヨレが生じやすいものです。

また、カワハギ釣り・聞きアワセの意味の中でも解説させていただきましたが、カワハギの歯の裏でハリ先が滑ってまう場合や、ゲストを釣り上げた時に、ハリを無理に外そうとするとハリ先を傷めてしまったりするものです。


そんなことからカワハギ釣りの先人の方々は、かなり前より自作のハリス止めを仕掛けに配し使っておられたようで、真鍮の針金を一筆書きのように加工、ハリス止めの上下に管を作り、その上下に幹糸を結んで固定する形状のものを使われていたり、自動ハリス止め自体を仕掛けに取り入れたもの、ハリス止め付きのヨリモドシの回転分を潰して固定したものなど、「ハリスをすぐに取り替えられる」ことを主眼においた考えか方があったように見受けられます。

また、大塚さんオリジナルのスピードサルカンはその流れを組み、自動ハリス止めが付いた小さなテンビンとも言い替えることができ、それ自体ウエイトがあり、現在でも愛用されている方がいらっしゃいます。


そんな「煩瑣にハリごとハリスを取り替える」カワハギ釣りなのですが、前記のハリス止め類の場合、その上部に幹糸を結び、下部に結びと、3本バリ仕掛けの場合は上下6か所を結ばなければならず、枝間の寸法を決めながらのその作業は、仕掛け作りが好きな方はさほど気にならないと思いますが、やや面倒な作業でもあったのではないでしょうか。


そこで登場したハリス止めビーズは、ビーズに開いた穴に幹糸を通して上下にコブを作れば固定でき、枝間の寸法も決めやすく、強度も問題ありません。

また、樹脂で出来ていますので、夜光やピンクなどのカラーバリエーションもあり、樹脂ゆえ軽いですが、仕掛け作りのコンセプトとして重さが必要な場合は、金属のスズを使ったウエイトフックビーズもあり、仕掛けの細かなセッティングに一役買っています。

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個人的には仕掛け上部にウエイトタイプのフックビーズを、その下は樹脂でできたフックビーズを使い仕掛けを作っています。


オリジナルのカワハギ仕掛けについては、追々書かせていただこうと思っています。





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